日は問題形式でなく説明にします。 繊維状タンパクの重合によってできる細胞骨格は文字通り、細胞の構造・強度を内側で支える骨格になるとともに、他のタンパク質(モータータンパク)がその繊維上をATPの分解エネルギーで移動し、物質や細胞小器官を輸送できる。細胞骨格上を移動するたんぱく質をモータータンパクという。 細胞骨格には、以下図のように微小管、中間径フィラメント、アクチンフィラメントとなる。 図は太さ順に並べてある。「微小管」が最も太いことに注意。 ・微小管は「紡錘糸・中心体(星状体)・べん毛・繊毛など」 ・中間径フィラメントは、上皮・軸索・核などの構造強化に働く。 上皮組織の中間径フィラメントの構成タンパク質は「ケラチン」と呼ばれる。 ・アクチンフィラメントは、筋肉・原形質流動、収縮環・耳の組織の有毛細胞の不動毛などを構成する。 3つの構造ともタンパク質が集合したもので、特に微小管とアクチンフィラメントは、部品であるタンパク質が結合したり解離したりすることで、伸長したり短くなったりする。 微小管の素材は「チューブリン」という。管(tube)の素材なのでtubullinと命名された。tubillinはα・βという2つのサブユニットのタンパク質の重合体であり、それが更に重合して微小管となる。 微小管やアクチンフィラメントは不要な時は素材まで分解され細胞質基質に溶けた状態になり、必要な時に柔道する。「紡錘糸」が現れたり消えたりするのはこの仕組みである。 図で「+端」は伸びる側、「−端」は縮む側である。 ただ「+端」は重合のみ、「−端」は解離のみが起こっているわけではなく、両端とも重合も解離も起きている。 +端は、重合速度>解離速度 −端は、解離速度<重合速度である。 微小管の上を移動するキネシン・ダイニン、アクチンフィラメントの上を移動するミオシンともに、ATPのエネルギーを利用して、繊維との接触部のタンパク質を繊維にくっつけたり離したりすることができる。 両方の接触部を交代しながら進むので、「二足歩行」のように見える。ATPを分解するエネルギーを使って「歩行」する。 これらは上に細胞小器官やタンパク質などを運び、細胞の中で必要な場所に提供する。 キネシンとミオシンは+端に向かい、ダイニンは−端に進む。 (例外的に−端に向かうキネシンもある) |