設問1 1926年に三点交雑法によりモーガンが染色体地図を書き染色体説(遺伝子説)を確認したが、染色体説と何か? また、その後20年ほど、遺伝子に関し生物学者たちの間で議論になった論争点は何か? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 ・染色体説(遺伝子説) 「遺伝子は染色体上に存在する」 ・論争点 (染色体は主にDNAとタンパク質でできているため) 遺伝子本体はDNAかタンパク質か? 解説 厳密にはDNAかRNAかタンパク質かだが、入試問題ではRNAのことは無視して考えることが多い。 ★設問2 肺炎双球菌でS型菌とR型菌では形態にどのような違いがあるか?また、その違いと病原性の有無の関係について説明せよ。 ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 S型菌ーきょう膜あり→病原性 R型菌ーきょう膜なし→非病原性。 きょう膜は白血球の食作用から菌を防御できるので、きょう膜があるS型菌は体内で食菌されずに生きのべて、病原性を持つ。 解説 S型はsmooth type(なめらか)、R型はrough type(ざらざら)。 きょう膜があるS型菌はシャーレで育って コロニーができた時、光が当たってもきれいに反射しなめらかに見える。きょう膜がないR型菌は、光を乱反射し、ざらざらに見える。 ★設問3 以下の実験は、S型菌・R型菌を様々な形でネズミに注射した時の結果を示す。この実験を最初に行った人は誰か? 時に最後の実験で、起きた事実を何というか? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 グリフィス 形質転換(transformation) 解説 図を文でまとめると以下のようになる。 ・S型菌→ネズミに注射→ネズミ死ぬ(体内からS型菌) ・R型菌→ネズミに注射→ネズミ生きる(体内に細菌なし) ・加熱殺菌したS型菌→ネズミに注射→ネズミ生きる(体内に細菌なし) ・R型菌+ 加熱殺菌したS型菌→ネズミに注射→ネズミ死ぬ(体内からS型菌) ★設問4 図の実験の形質転換が示す事実は何か? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 加熱殺菌した肺炎双球菌を構成する成分のうちタンパク質は熱に弱く変性したはずなので、 熱に強いS型菌のDNAが生きたR型菌をS型に形質転換させた。つまり、タンパク質でなくDNAが遺伝子本体だと予測される。 ★設問5 設問4の視点に気づき更に精巧な実験をして「遺伝子本体はタンパク質でなくDNAである」と確認した人は誰か? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 エイブリー(アベリー) 解説 最初に実験したグリフィスと、精巧な実験をして「遺伝子本体がDNA」だと確かめたエイブリ−(アベリー)は別人物なので注意。 アベリーの精巧な実験や肺炎双球菌実験をめぐる様々な論点は明日にします |