★設問1 オシロイバナの中には、緑と白が混じった斑入り(ふいり)の葉をつける株がある。ただし、同じ株でも枝によって、 ・緑葉のみをつける枝 ・斑入りの葉もつける枝 ・白い葉のみをつける枝 がある。 それぞれの枝についた花の雌しべに、 ・他の株の緑葉のみをつける枝の花からとってきた花粉・ 斑入りの葉のみをつける枝の花からとってきた花粉 ・白い葉のみをつける花からとってきた花粉 をつけた時にできる植物はどうなるか? 次から選べ。 ・緑葉のみをつける植物 ・斑入り葉もつける植物 ・白葉のみをつける植物(やがて枯死する) ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 花粉親の種類に関係なく ・緑葉のみをつける枝→緑葉のみをつける植物 ・斑入りもつける枝→緑葉のみ、斑入り葉もつける、白葉のみの植物の3種 ・白葉のみをつける枝→白葉のみの植物 解説 花粉親からの花粉からは葉緑体などの細胞質をほとんど受けつがないため、次世代の植物は卵細胞の性質のみで決まる。したがって卵細胞のみを考えればよい。 図示すると以下のようになる。 緑葉のみをつける枝の細胞には花にできる卵細胞も葉緑体のみが存在する。したがって次世代は緑葉のみの株となる。 斑入り葉もつける枝の細胞には葉緑体と白色体が混在することがあるが、 卵細胞に受け継がれた時点で、葉緑体と白色体を混在する卵細胞と、葉緑体のみの卵細胞、白色体のみの卵細胞の3種となる。 次世代は斑入りの葉もつける株、緑葉のみの株、白葉のみの株(やがて枯死)の3種となる。 白色体のみのつける枝の細胞には白色体のみしか存在しないため、卵細胞は白色体のみなので、白葉のみの株となる(やがて枯死)。 (なお、斑入り葉もつくる株の枝の中には白葉のみの枝もあるが、これは他の緑や斑入り葉がつくる 栄養分によって生存可能なので、 白葉のみの枝もありうる。しかし植物体全体が最初から白色体しか受け継いでいなければ、光合成できず枯死するので、 白葉の枝のみの株は存在しない。) なお斑入りの葉の遺伝は、この他の形式もありうるので注意。ただ、入試に出る「斑入り葉」は大部分この遺伝です。 |