おはよう。 私の大学時代友人の研究者、箕輪はるかさん(アイソトープ施設助教)からの案内です。 東京慈恵会医科大学医学部医学科オープンキャンパス 平成29年8月10日、12日、午後1時〜5時 西新橋キャンパス(中央講堂・大学1号館) 大学1号館7階実習室では、箕輪はるかさん(アイソトープ施設助教)が「霧箱〜放射線を見てみよう」をしています。 ★設問1 以下の写真はヒトとチンバンジーの骨盤の骨格標本(国立科学博物館)どちらが、ヒトでどちらがチンパンジーか? またその特徴の違いと理由を説明せよ? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 左がヒト、右がチンパンジー ・チンパンジーや四肢で交互に木を伝わって移動したり歩いたりするので体重を四肢で分散して支える。 それに対して、ヒトは直立二足歩行をするために上半身(頭・手・胴)の体重を骨盤で支える必要があり、 なおかつ出産のための産道をある程度確保する必要があるため、骨盤の骨が横に広がり幅も広くなっている。 ★設問2 直立二足歩行を英語で書け ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ ↓ 答 erect bipedalism 解説 実際に英作文などで要求されることは少ないだろうが、生物学の有名用語の英訳を知っておくと、科学系英文読解の時に、すぐに読めるので役立つだけでなく、派生語・類似語を通じて様々な英単語が確認できる。 erectは「直立の(形容詞)・直立する(動詞)」 electは「選挙する」なので間違えないこと。 bi-は2を示す接頭辞。pedalは「自転車のペダル」の他に「足の」の意味もある。pedやpusはギリシャ語由来で足を示し、 ・octopusタコ(8本の足←octoが8) ・pedestrian歩行者(駅の2階からそのままつながる 歩行者用広場を和製英語で「ぺデストリアンデッキ」という。英語ではpedway) ★設問3 直立ニ足歩行とともにチンパンジーと ヒトを決定的に分岐させた特徴は何か? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ ↓ 答 道具(石器)の作成・使用 (言語の使用も可能性としてはあるが化石的な証拠ははっきりとはない) (脳容積は、チンパンジーと初期のヒトでは差があまりなく、脳容積の肥大化は二次的なものである) ★設問4 頭骨や歯を比較した時、チンパンジーと現在のヒトの違いが何か?5つあげよ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ ↓ 答 ・大後頭孔(チンパンジー斜めに開口、ヒト真下に開口) ・眉上隆起(チンパンジー発達、ヒトなし) ・おとがい(あごの下の突起)(チンパンジーない、ヒトあり) ・歯列(チンパンジー前方に突出、ヒト丸み) ・犬歯(チンパンジー大きい、ヒト小さい) ・脳容積(チンパンジーー小、ヒト大) 解説 ・ヒトでは直立二足歩行で頭骨を真下から支える必要があるので、脊椎が頭骨に入る孔(大後頭孔)が真下。チンパンジーは樹上移動なので頭骨と脊椎との関係は斜めなので斜め後。 ・チンパンジーは樹上移動のため、木の枝などが目に入るのを防ぐため目の上に骨の隆起(眉上隆起)があるが、ヒトは草原に生活したので退化。 ・ヒトは火で調理した柔らかい食材を食べるので歯やあごが退化し歯列は丸みを帯びる。チンパンジーは噛みついたり噛み砕いたりするため、歯列が前方に突出する。 ・ヒトでは歯列が退化した分、相対的にあごの先端(おとがい)が顔の中で飛び出た位置にある。チンパンジーは歯列が前方に突出しているため、おとがいは出ない。 入試的には写真の骨盤の比較と、設問4の頭骨の比較が最もよく聞かれます。 |