おはよう。後期の授業がスタートしていますね。後期の内容(発生・神経系)に関わる発信は明後日9月5日(火)からいたします。4日(月)までは前期の内容の代謝の発展編を発信します。 これまで述べた以外で代謝に関わる細菌の特徴を述べましょう。出題頻度は少ないですが、たまに出題されます。 ●設問(09北里大) 「以下の原核生物のエネルギー転換過程の特徴として最も適切なものをそれぞれ答えよ 1、硫黄細菌 2、シアノバクテリア 3、紅色硫黄細菌 4、水素細菌 5、メタン細菌 6、緑色硫黄細菌 a無機物を酸化して得られるエネルギーを利用して有機物を合成する b二酸化炭素を還元するための水素源として硫化水素を用いる c二酸化炭素を還元するための水素源としてアンモニアを用いる d二酸化炭素を還元するための水素源として水を用いる e二酸化炭素を直接水素で還元する。 ↓ ↓ ↓ (しばし考える) ↓ ↓ ↓ 解答 「1・4(化学合成細菌)-a 2(緑色植物型光合成)−d 3・6(光合成細菌)−b 5ーe」 ●メタン細菌とは? 別名「メタン生成細菌」。嫌気条件で沼・水田・汚泥・哺乳類消化管に存在し、反応生成物としてメタンを生成する。 CO2+4H2 →CH4+2H20 の反応を行う。 e「二酸化炭素を直接水素で還元する」 に相当することがわかりますね。 また酢酸を利用し CH3COOH→CH4+CO2 という形でCH4を生成することもある。 H2が供給されるような嫌気条件が必須で、O2が存在するとそれがH2と結合し原料のH2がなくなるので、メタン細菌は生育できない。 ●「牛のゲップは地球温暖化のもと」? 地球温暖化を進める温室効果ガスはCO2の他にCH4・H20・N20(亜酸化窒素)・フロンの4つが有名である。 (フロンはオゾン層破壊もする) かつて牛のゲップや日本の水田がメタン発酵するので問題にしようとする動きがあったのですが、 それは人間活動由来のCO2の問題から目をそらせるための議論という気がします。 その議論が起きた時、小学生の新聞投書で 「牛のゲップをやめさせないで」 というのが載りました。 「人間は自分勝手でさんざん環境破壊してきたのに、今さら昔からされてきた牛のゲップを問題にするのは 自分勝手で牛さんがかわいそうだ」 という主旨の当初でした。同感しながら読んだのを今でも覚えています。 設問(09独協医大) 「酢酸発酵は酸素を必要とするか否か?」 ↓ ↓ ↓ (しばし考える) ↓ ↓ ↓ 解答「必要とする」 ●酢酸菌 お酒(エタノール)を原料に食酢を作る際に働く細菌です。 「C2H5OH+O2→ CH3COOH+H20」 の反応です。 細菌の多くは酸素を使わない発酵を行いますが、酢酸菌は酸素を使います。 |