★設問1 移植拒絶反応以外の細胞性免疫の対象を3つあげよ。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 ツベルクリン反応 がん細胞への免疫 ウイルス感染細胞への免疫 解説 ツベルクリン反応は、結核菌由来のタンパク質を皮内に注射し、それに対する細胞性免疫がおきて、 発赤するかどうか調べ、結核菌感染の有無を調べる方法。最近はより正確なQFT検査に変えられつつある。 ★設問2 健康状態、あるいは加齢により、自己成分に対する免疫反応がおこることがある。 このようにしておきる疾患を何というか?具体例を2つあげよ。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 自己免疫(性)疾患 ・関節リウマチなど膠原病(関節などコラーゲンを多く含む部位への自己免疫) ・橋本病(甲状腺への自己免疫) ・1型糖尿病(すい臓ランゲルハンス島B細胞への自己免疫) 解説 自己免疫性(性)疾患は、疾患によっては若年時からおきることもあるが、健康な人でも加齢とともに 同様な症状が起こりうる。 胸腺は10歳には退化萎縮を始め、 自己と非自己を見分ける教育が行きとどかないで自己を攻撃するT細胞が生じてしまうからである。 ★設問3 細胞表面タンパク質Aを持ち、Bを持たないマウスの胎児期に、Bを持つ細胞を注入しておいた。 このマウスは出生後、Bを皮膚に移植すると拒絶反応を起こすか? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 おこらない。 解説 胎児期からBが存在するとBと反応するT細胞はアポトーシスなどで除去されるので、拒絶反応は起こらない。 一般的に胎児期に入れた成分に対する拒絶反応は起こらなくなる。 ★設問4 ヌードマウス(常染色体上の劣性突然変異で無毛で胸腺を欠損している。 T細胞はほとんどないがB細胞は正常)に、X腺照射し、骨髄やリンパ節に存在するB細胞を殺した。 その後、以下のように細胞を移植した場合、(別系統のマウスの皮膚を移植した場合の)拒絶反応・(ある抗原を与えた場合の)抗体産生は起きるか? 1、正常マウスのT細胞のみの移植の場合 2、正常マウスのB細胞のみの移植の場合 3、正常マウスのT細胞・B細胞両方の移植をした場合 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 1、拒絶反応ーおきる 抗体産生ーおきず 2、拒絶反応ーおきず 抗体産生ーおきず 3、拒絶反応ーおきる 抗体産生ーおきる 解説 ヌードマウスのB細胞すら殺せば、免疫系について完全に白紙のマウスとなる。 したがって、移植された細胞のみによって反応が決まる。 細胞性免疫(拒絶反応)は「ヘルパーT→キラーT」の指令で起きるのでT細胞のみで起きる。 体液性免疫(抗体産生)は「ヘルパーT→B細胞」の指令で起きるので、T・B細胞両方ないとおこらない。B細胞のみではおこらない。 ★設問5 一般にT細胞とB細胞の数の比率は何%か? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 T細胞ー70% B細胞ー30% ★設問6 免疫系の「親分」ともいえるヘルパーTリンパ球に感染し、免疫不全を起こすウイルスは何か? それが発症した時に引き起こされる疾病名を英語略語表記と日本語で答えよ。このウイルスの感染の程度の判定に利用される指標は何か? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 HIV(human immunodeficiency virus、ヒト免疫不全ウイルス) AIDS(acquired immune deficiency syndrome、後天性免疫不全症候群) CD4(昨日のメルマガ参照) (ヘルパーT細胞表面に発現するタンパク。これが減るとヘルパーT細胞が減少し、HIVによるヘルパーT細胞が破壊された指標となる) 解説 HIVを「HIVウイルス」と書く人がいるが、Vがvirusの略なので繰り返しとなるので間違いである。注意。 ★設問7 キラーT細胞でなく、特にがん細胞に対する細胞性免疫に活躍することで注目されている細胞は何か? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 NK細胞(natural killer cell) 解説 医療の世界に「笑い」をとりいれると、NK細胞が活性化されて、がん細胞に対する細胞性免疫が強まるという報告などが注目を集めている。 |