★設問1 下の図は内分泌腺から出されるタンパク質系ホルモン(●)と標的器官との関係を示した図である。1が健康状態であり、2〜6がホルモン系の疾患となる。図1でホルモンの健康状態での働き方を説明せよ。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 健康状態では、内分泌腺の細胞から適量のホルモン(●)が分泌され、血流にのって標的器官に到達し、標的器官のホルモンレセプターに適量受け止められ、標的器官の細胞が適量の反応を起こす。 解説 標的器官の細胞のレセプターのすべてがホルモンと結合するわけではなく、適量結合することで、適量の反応が起きる。(図では4つのレセプターのうち2つに結合した状態と適量と解釈する) ★設問2 2〜6の疾患状態の理由を説明せよ。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 2、内分泌腺が過剰にホルモンを分泌するため、標的器官のレセプターに過剰に結合し、過剰な反応が起きる。 (図では1つの細胞が過剰に出したように表現したが、この他にも内分泌腺の細胞が腫瘍化し細胞数が過剰に増え、1つ1つの細胞のホルモン分泌量は同じでも腺全体としては過剰に分泌されるもともある) 3、内分泌腺の細胞が破壊されたり、働かなくなったりして、ホルモンが分泌されないので、標的器官も働けない。 (図では全くホルモンが出ないイメージであるが、もちろん分泌量が減るだけでも疾患になる) 4、内分泌腺のホルモン合成遺伝子の異常により、立体構造の異なるホルモンが出るため、標的器官のレセプターに結合できず、反応が起きない。 5、標的器官が破壊されるか、遺伝子異常でレセプターが細胞表面に発現できないため、内分泌腺から適量の正常ホルモンが分泌されていても働かない。 (完全破壊やレセプターが完全に0にならなくても減るだけでも疾患となる) 6、標的器官の細胞の遺伝子異常で、構造が異常なレセプターが発現するため、内分泌腺から適量の正常ホルモンが分泌されていてもレセプターに結合できず働かない。 解説 なお2と逆で、ホルモン量が適量でもレセプターが過剰密度に発現することで、過剰反応する場合もある。 ★設問3 5・6のようなホルモン系疾患をとくに何というか? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 レセプター病 (内分泌腺のほうが正常でも,標的器官のレセプターが異常になることによる疾患) ★設問4 図1にような状態であったにも関わらず、疾病になった場合、何が原因と考えられるか? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 レセプターからシグナル伝達・転写調節するしくみ、標的器官の細胞の遺伝子異常など、標的器官細胞内部の異常により、正常な反応ができない。 |