おはよう。今日は札幌からの発信です。 ★設問1 図はインスリン(赤丸)に対する肝臓・筋肉細胞の応答を示したものである。この図で食後血糖が減る仕組みを説明せよ。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 インスリンが細胞表面のインスリンレセプターのαサブユニットに結合すると、 インスリンレセプターのβサブユニットの細胞内部分がリン酸化し、細胞内に情報伝達される。 細胞内ではグルコースのグリコーゲン合成などが促進されるとともに、細胞内の小胞に収納されていた GLUT4(グルコーストランスポーター4)が細胞膜に移動することにより、食後増加したグルコースの細胞内への 取り込みを促進することにより血糖を減らす。 解説 ・インスリン受容体(レセプター)は細胞外でインスリンを受けとめるαサブユニット2つ、細胞内に貫いている βサブユニット2つの4つの部位からなる4量体である。 ・遺伝子異常でインスリンの形状が異なる異常インスリン(図で赤三角)はレセプターに結合できず通り過ぎる この図のことがそのまま知識として聞かれることは少ないが、この流れを知っておくと様々な考察問題に対処できる。 ★設問2 図中の@〜Cは、その部位の異常により、 食後の糖の細胞への吸収があまりできず糖尿病になる原因となる。@〜Cの異常を説明せよ。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 @インスリン受容体(レセプター)が発現していないか数が減少しているのでインスリンに反応できない。 Aインスリン受容体(レセプター)のαサブユニットの構造異常で、インスリンと結合できない。 Bインスリン受容体(レセプター)のαサブユニットの構造異常で、αサブユニットでインスリンと結合できるが細胞内に情報が伝わらない。 Cインスリン受容体(レセプター)は正常であるが、その情報を細胞内に伝えていく経路の物質などが異常で、情報が伝わらない。 |