★2010年防衛医大(一部) (1)次の文中の空欄( ア)〜( オ )に入る適切な語句や数字を記入し、文章を完成させよ。ただし、数字は小数点以下、下2桁を四捨五入し、小数点以下、下1桁で表せ。 また下記の問に答えよ。 一般に、ある地域に生息する同種個体の集団は( ア )と呼ばれ、単位面積あたりの個体数を( イ )と呼ぶ。 個体数を縦軸に時間を横軸に表すと、(ア)の成長曲線は ( ウ )字形を示す。また、(ア)の大きさは個体の総数で表せるべきだが、実際にはある一定生活空間内の個体数で表され、 動き回る動物では( エ )法により解析される。例えば、10,000uの池で100匹のフナを捕獲して尾びれに切り込みを入れ、 その場で放流したとする。3日後に150匹のフナを捕獲したところ、15匹に尾びれに切り込みが認められた。池のフナの(イ)は( オ )匹/uとなる。 問 (エ)を使用するには条件がある。2つ挙げよ。(各々20字以内) ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 (ア)個体群 (イ)個体群密度 (ウ)S (エ)標識再捕獲法(標識再捕法) (mark recapture) (オ)0,1 (エ)の2条件 ・調査期間内に集団からの個体の移出入がない (大規模な出生・死亡による個体数の変化がない) ・標識個体と非標識個体で再捕獲率に差がない (標識個体がその標識ゆえに、再捕獲の際、捕まりやすかったりすることがない) (本文の中に書いてあるので本設問では答から除外されるが、個体が動き回ることも重要な条件である) 追加問題 フジツボなど動きまわらない生物の数を数える方法は? ↓ ↓ ↓ ↓ 答 区画法 調査面積を区画に分け、数区画の個体数の平均値を求め、その平均値に区画数をかける。 標識再捕獲法に戻り、計算について解説します。下図を見てください。 調査する個体群の個体数がN匹とし、通常はこれが不明でこれを求めるのが目的です。 捕獲してm匹に印(図では赤)をつけ再び環境中に放します。 捕獲した時と放した時は、この赤個体は固まって存在するのですが、放した後、 自由に動き回り全体集団の中に散らばったイメージが左図です。 再捕獲の際はこの散らばった全体集団の中 からその部分集団を捕獲することになります。すると再捕獲集団は、全体集団の部分であり、黒と赤の混在の度合いは同じです。 よって N:m=c:r です これを変形すると Nr=cm N= cm/r これは公式として覚えようとするのでなく、その都度、この図を書いて N:m=c:r という比例式を書く方がよりよいです。 この設問の場合 N:100=150:15 15N=15000 N=1000 1000個体が10000m2の池にいるので 個体群密度は0,1匹/m2 となります。 |