★設問 ヒトのゲノムDNAの塩基配列を調べると、遺伝子の数はおよそ3万個あった(レトロウイルスや広義の その仲間の遺伝子を除く)。 一方、レトロウイルスや広義のその仲間のDNAが全ゲノムDNAの50%程度を占めることがわかった。 どのような仕組みで「レトロウイルスや広義のその仲間」がヒトのゲノムに多数存在するようになったのか?(2004年東大前期) ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 そのDNAを転写したmRNAが逆転写酵素を指定しリボソーム上で逆転写酵素が合成されたmRNA・逆転写酵素複合体ができる。 その複合体が別のDNA部位に移行し、そこに切れ込みを入れて逆転写し、もとと同じDNAがその部位に挿入される。 この繰り返しで増殖してきた。 このような代表的なDNAにLINEがあると図示すると以下の通りである。 RNAとタンパク質の複合体をRNP(PはProtein)という。 なお「レトロウイルス」とは逆転写酵素を持ったウイルス (HIVなど)のことであり、 このウイルス自体が、このような遺伝子が膜をまとって細胞の外に出たのが起源ではないかという説 「ウイルス=細胞を飛びだした自己増殖遺伝子」 という考え方が強くなってきている。 なおLINEは過去増殖し、私たちの遺伝子に多く存在するが、遺伝子が変異し今は自己増殖活動を停止している。 |