今日は図はなしです。 ●設問1 次の生物のち独立栄養生物を選べ。 ネコ キノコ サクラ コウボ 紅色硫黄細菌 大腸菌 ラン藻 アゾトバクター 脱窒菌 硝酸菌 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 サクラ(緑色植物型光合成) 紅色硫黄細菌(光合成細菌) ラン藻(緑色植物型光合成) 硝酸菌(化学合成細菌) 解説 残りは従属栄養。 炭酸同化(光合成と化学合成)によって二酸化炭素と水や硫化水素など無機物から有機物が合成できる 生活できる生物を「独立栄養生物(autotroph)」という。 無機物から有機物を合成できす、 他の生物由来の有機物を摂食・吸収して取りこも生物を「従属栄養生物(heterotroph)」といい、動物の多くとくと菌・細菌が含まれる。 (独立栄養か従属栄養かの論点は炭酸同化だけであり、窒素代謝は判断基準ではない) ●設問2 緑色植物型光合成と光合成細菌の光合成の化学反応式を書け。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 緑色植物型光合成 CO2+2H20+光エネルギー→CH20(同化産物)+602+6H20 (6CO2+12H20+光エネルギー→C6H1206+602+6H20) 光合成細菌 CO2+2H2S+光エネルギー→CH20(同化産物)+2S+H20 (6CO2+12H2S+光エネルギー→C6H1206+12S+6H20) 解説 ・水素源が異なる(H20とH2S)ので生成物(廃棄物)も 異なる(02と2S)がそれ以外は共通であることを確認してほしい。なお光合成色素は緑色植物型光合成ではクロロフィルaなどで あるのに対し、光合成細菌は「バクテリオクロロフィル」である。 (反応過程を聞く問題では反応物と生成物の関係を理解するCO2から始まる上式でよいが、二次試験などで数値計算させる場合は、6CO2から始まる( )内の係数が大きい式を使う) 設問3 化学合成では基本的に緑色植物型光合成と同じ反応で炭酸同化を行う。ただそのためのエネルギーを無機物を酸化から得る。 そのエネルギーを得る反応式の( )の化学式を埋めよ。同じ物質が入ることもある。 その式は以下のようになる。 メルマガ表記の都合上縦がきとする。 ・亜硝酸菌 2( 1 ) + 3O2 ↓ 2( 2 ) + 2( 3 ) + エネルギー ・硝酸菌 2( 4 ) + 02 ↓ 2( 5 ) + エネルギー ・硫黄細菌 2( 6 ) + O2 ↓ 2( 7 ) + 2( 8 ) + エネルギー ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 解答 直接、化学反応式を書くことで解答とします。 ・亜硝酸菌 2NH3(アンモニア) + 3O2 ↓ 2HNO2(亜硝酸) + 2H2O + エネルギー ・硝酸菌 2HNO2(亜硝酸) + 02 ↓ 2HNO3(硝酸) + エネルギー ・硫黄細菌 2H2S(硫化水素) + O2 ↓ 2S(硫黄) + 2H20 + エネルギー 解説 入試ではこの化学合成細菌のエネルギーをえる式に関し、化学反応式の係数まで聞かれることはまれで、 原料と生成物が聞かれることが多いので原料と生成物は確実に知っておいてほしい。細菌の名称が、 細菌が活動した結果残される反応生成物の名前から命名されることが多いという原則で考えればわかりやすい。 もう1つの反応生成物といて水がでる場合もある。 なお、念のため再度強調しておくが、 細菌たちにとって、以上はあくまでエネルギーを得るための手段の式であって、目的は以下の緑色植物型光合成と同じ反応でグルコースを作る「炭酸同化」である。 CO2+2H2S+光エネルギー→CH20(同化産物)+2S+H20 |