テーマは「がん研究からがん哲学外来へ」です。樋野興夫さんは病理解剖の医師として、生きた患者でなく死体の病理解剖とそれをもとにしたがん研究をしてきました。 しかしアスベスト被害による中皮腫の被害者の相談外来をきっかけに、一昨年より、 「がんの存在、自分ががんになった意味を哲学的に考えよう」というがん哲学外来を立ち上げました。 病院の通常の診察の短時間の中ではなかなか患者は内面まで語ることはありません。しかし「がん哲学外来」では1時間ぐらいじっくり時間をかけゆっくり話を聞くとともに、 医師側も「夜1人になった時、思い返して考えることができるきっかけになる言葉」を発しながら対話をしていきます。 傾聴とともに問いかけと対話を行うことを通じて、樋野さんは「がん哲学はがん患者だけでなく、 今、健康な人も含めて必要だ」と感じるようになったといいます。 そのメッセンジャーとして各地でご講演をされ、今回、予備校生にも語っていただけたわけです。 講演後、いろいろな質疑応答がありました。講師室でも質疑がありました。その中で、1つだけ紹介しますと、(とくの進行がん患者への)「園芸療法」へ注目されていることを述べられていました。 園芸療法は病院(敷地内や近接地域)や病室で、患者が園芸にかかわることで心を癒し手を動かし、生きる目標にし、また生死について哲学的に考える療法です。 たまたま、元生徒で千葉大園芸学部の学生と、園芸療法にかかわっれいる作業療法士が来ていて質問したこととも連動しますが、 いろいろ聞くとたしかに「園芸療法」は今後の大切になってきそうです。 なお15日(火)千葉校で小澤竹俊医師(在宅緩和ケア)、大宮校で18日(金)小川康さん(チベット医)の講演会を実施しましたが、もしかしら今後に他校舎で実施するかもしれません。 |