-------------------------------------------------------------------------------- きのうは岡山県笠岡市で水害後の片付けボランティアしました。きょうは台風12号にそなえるため、関東にもどります。台風12号の影響がすくなくてすむようにいのっています。 好気呼吸クエン酸回路はミトコンドリアのマトリックスで行われ、その化学式は 2C3H403(ピルビン酸)+6H2O →6CO2+20H+エネルギー(2ATP、熱) です。 「ピルビン酸を水を加えながら料理し、CO2を捨てながら、次の電子伝達系で使う20Hを取り出す反応(そして2ATP生成する反応)」です。 酵素としては「脱炭酸酵素」(カルボキラーゼ)と「脱水素酵素」(デヒドロゲナーゼ)が活躍しています。 詳細に見ますが、その際分子式全体でなくCの数だけに注目してよいです。 C6(グルコース)一分子を分解した2分子ピルビン酸(2C3)が出発点となります。 途中の物質名には知らなくてよいものもありますが、まずは全体を示した後で説明します。 2C3ピルビン酸 ↓ ↓→2CO2 ↓→4H 2C2アセチルCoA(活性酢酸) ↓ ↓←回路最終産物 ↓ 2C4(オキサロ酢酸)と結合 ↓ ↓←2H20 ↓ 2C6(クエン酸) ↓ 2C6(イソクエン酸) ↓ ↓→2CO2 ↓→4H ↓ ↓ 2C5(αケトグルタル酸) (オキソグルタル酸) ↓ ↓→2CO2 ↓→4H ↓ 2C4(スクシニルCoA) ↓ ↓←2H2O ↓→2ATP ↓ ↓ 2C4(コハク酸) ↓ ↓→4H ↓ 2C4(フマル酸) ↓ ↓←2H20 ↓ 2C4(リンゴ酸) ↓ ↓→4H ↓ 2C4(オキサロ酢酸) (振り出しに戻って活性酢酸と結合) ●ポイント (スクロールを戻しながらご確認ください) 1、脱炭酸反応(→2CO2)が3か所起き、その過程でC原子数が減っている。 2C3→2C2→(2C4と結合し)→2C6→2C5→2C4 2、脱水素反応が5か所で起き計20Hが出ている。 (脱水素反応の場所も正確に知る必要はない。「5か所計20H」という事実が重要) 3、2を持続するため、途中3か所で2H20を補給している。 (H20の追加の場所まで正確に覚える必要はなく「計6H2O追加」の事実のみでよい) 4、1か所のみ2ATPが作られている ●09年独協医大設問 「クエン酸回路をひとまわりするごとに1分子のピルビン酸あたり(1 )分子の水が加わって ( 2 )分子のCO2が生じるとともに( 3 )Hが切り離され、( 4 )分子のATPが生成される」 ↓ ↓ (しばし考える) ↓ ↓ 解答 「1−3 2−3 3‐10 4−1」 解説「1分子のピルビン酸あたり」という表記に注意。先の私の説明は2ピルビン酸を出発点とした説明なので、「1分子ピルビン酸あたり」という問題指定を見落とさないように。 ●コハク酸→フマル酸の4H放出は補酵素がFAD 5か所中4か所の4H放出を受け止める補酵素はNADで2NADH2となります。 ただ1か所(コハク酸→フマル酸)のみの4H放出を受け止める補酵素はNADの親戚のFADで2FADH2となります。 20Hは補酵素まで表記すると、20H(8NADH2,2FADH2)となります。 ●ツンベルク管実験 クエン酸回路の1か所 コハク酸+FAD→フマル酸+FADH2 の脱水素酵素の反応を可視化したものがツンベルグ管実験です。 主室に「酵素液(ニワトリの胸筋をすりつぶしたもの・FADも含む)」 副室に「コハク酸ナトリウム」と「Mb(青色素メチレンブルー)」を入れ、 空気を抜いた上で混ぜます。 Mbは電子伝達系の代理となるもので、FADへの水素授受の次に水素を受け取ります。 結果的には、 コハク酸+Mb→フマル酸+MbH2 となり、MbH2(還元型メチレンブルー)は無色なため、 「青色→無色」の変色で 「コハク酸+FAD→フマル酸+FADH2」 と同様なことが起きたことが可視化できます。 なお実験後空気を入れると、O2がMbH2からH2を奪うので再び青(Mb)に戻ります。 |