★設問1 スイートピーの花の色の遺伝子はAB両方が発現した時紫色となり、片方だけの発現では白になる。 紫の品種(AABB)とaabbを交配したF1を自家受精したF2の表現型分離比を書け。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 紫:白=9:7 解説 原料物質(白) ↓ ↓←酵素A(遺伝子Aで合成) ↓ 色素原(白) ↓ ↓←酵素B(遺伝子Bで合成) ↓ 紫色素 の連続反応で初めて紫となる。このような遺伝子を補足遺伝子という。 [AB][Ab][aB][ab]=9:3:3:1 で[AB]のみ紫、[Ab][aB][ab]は白となる。 ★設問2 カイウサギの毛の色は黒にする酵素をつくる遺伝子Aがあり、更にそれを灰色に変化させる遺伝子Bが働く場合もある。Aがない場合(aの場合)は白である。 AABBとaabbの交配で産んだF1どうしを交配して生まれたF2の表現型分離比を書け ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 灰:黒:白=9:3:4 解説 原料物質(白) ↓ ↓←酵素A(遺伝子Aで合成) ↓ 黒色素 ↓ ↓←酵素B(遺伝子Bで合成) ↓ 灰 の連続反応がおきる。このような遺伝子を条件遺伝子(補足遺伝子の一種とみなすこともある)という。 [AB][Ab][aB][ab] =9(灰):3(黒):3(白):1(白) となる。 ★設問3 ナズナの果実はAB遺伝子の少なくともどちらかが存在すれば「うちわ型」となり、両方存在しなければ「やり型」となる。 うちわ型の品種(AABB)とaabbを交配したF1を自家受精したF2の表現型分離比を書け。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 うちわ型:やり型=15:1 解説 [AB][Ab][aB][ab] =9(うちわ型):3(うちわ型):3(うちわ型):1(やり型) となる。このような遺伝子を同義遺伝子という。 ★設問4 カイコのまゆの色はY黄y白の遺伝子の他に、黄色の発現を抑制する抑制遺伝子Iがある。(iは抑制しない) iiYYの黄色の品種と、 IIyyの白の品種を交配したF1どうしを交配したF2の表現型分離比を書け。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 黄:白=3:13 解説 iiYY×IIyyでも、F1はIiYyとなり、F2は [IY][Iy][iY][iy]=9(白):3(白):3(黄):1(白) となる。 [IY]はYはあるがIで抑制されるので白になり、 [iY]はYがあり、iで抑制されれないので黄になる。 ★設問5 カボチャ果実の色を黄色にする遺伝子Yと緑にする遺伝子yがあるが、Wは黄・緑への発色を抑え白にする。なおwは発色を抑えない。WWYYとwwyyのF1の自家受精にするF2の表現型分離比を書け。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 [WY][Wy][wY][wy] =9(白):3(白):3(黄):1(緑) となる。このIのような遺伝子を抑制遺伝子という ★設問6 ある種のブタの体色はA遺伝子、B遺伝子どちらかが存在すれば土色に、更に両方あると赤色になる。両方ない時は白である。 AABBとaabbのF1どうしを交配した時のF2の表現型分離比は何か? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 [AB][Ab][aB][ab] =9(赤色):3(土色):3(土色):1(白色) となる。このような遺伝子をポリジーンという。多数の遺伝子が同じ働きをし、その働きが重なると段階的に性質が変化するもので、人体の不段階的な遺伝現象にはこれが多い(たとえば身長に関する遺伝的要素) 最後に、IYやWYをすべてABとみなして表にすると以下にようになる。 なお、F2で聞かれることの他、AaBbの検定交雑での分離比を聞かれることもある。 その場合 紫:白=1:3 灰:黒:白=1:1:2 うちわ:やり=3:1 カイコまゆ 白:黄=3:1 カボチャ果実 白:黄:緑=2:1:1 ブタ体色 赤:土色:白=1:2:1 |