★設問1 発芽に酸素・水・適温の他に光を必要とする種子を何というか?その種子の具体名をあげなさい。 また光の中でも波長nmの何色光が必要とされるか? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 光発芽種子 レタス・タバコ・シロイヌナズナ・ヤドリギ 660nm(ナノメーター)の赤色光 解説 逆に光がないほうが発芽する種子を「暗発芽種子」という。 ★設問2 光発芽種子の赤色光の発芽促進効果を打ち消す光の波長と名称を書け。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 730nmの遠赤色光(far red) 解説 赤外線に近いので「近赤外光」と呼ばれたこともあったが、最近は「遠赤色光」の用語が好まれる。赤外線と同じく熱を保持する効果があり「遠赤(えんせき)」の保温製品などがよく売られている。 光発芽種子は赤色光で発芽促進、遠赤色光で抑制されるが、交互に当てた場合は最後にどちらの光があたったかで、促進か抑制か決まる。 ★設問3 この赤色光や遠赤色光を感受している物質は何か? ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 答 フィトクローム(phytochrome) ギリシャ語由来の英語でphytoーは植物、chromeは色素で、「植物色素」の意味から命名された。 ★設問4 フィトクロームにはPr型とPfr型があるが、 光発芽種子の発芽促進効果や光周性実験での「光中断効果」を持つのはどちらのタイプか? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 Pfr型 解説 Pr型とは赤色光(red)吸収型で、Pfr型とは「遠赤色光(far red)吸収型」である。 これは相互転換する。 Pr型 (不活性型) ↓ ↓←赤色光 ↓ Pfr型 (活性型) Pfr型 (活性型) ↓ ↓←遠赤色光 ↓ Pr型 (不活性型) Pr型は 「これから赤色光を吸収しうる型」 という意味で 実際に赤色光を吸収すると Pfr型に変化する。 赤色光を吸収すると、 発芽促進効果や光周性実験での光中断効果があるので、 Pfr型のほうが活性型である。 なお短日植物・長日植物とPr型・Pfr型の対応は単純でなく、クリプトクロムという別の光感受物質の関与も考えられている。したがって入試問題には出しにくい。 入試的には ・光周性実験での光中断効果(・光発芽種子の発芽) =赤色光 =Pfr型(活性型) と考えてよい。 Pr型(660nmを吸収しうる型)とPfr型(730nmを吸収しうる型)の光吸収曲線が下記の図で聞かれることもあるので知っておきたい。 |