★設問1 1958年に、DNAの複製方式の基本を解明した2人の学者名を記せ。彼らが使った明らかにした複製方式の名称と実験方法の名称を書け。 ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 メセルソン・スタール 複製方式ー半保存的複製 (semiconservative replication) 実験方法ー密度勾配遠心法 (density=gradient centrifugation method) ★設問2 2人は、次のような実験を行った。 大腸菌を15Nを含む培地で何世代も育て、15Nを含むDNAを持つ大腸菌を作った。 次に14Nのみを含む培地に移し、1回・2回分裂させた後の大腸菌DNAを抽出し、密度勾配遠心法でその重さを調べた。 ショ糖や塩化セシウム溶液に調べたいDNAを入れた試験管を遠心分離させると、試験管の深いところが高密度、 浅いところが低密度の密度勾配ができるため、DNAの重さをどの位置にDNAが帯を作るかで区別ができる。 15NのみのDNAが深い場所、14NのみのDNAが浅い場所、15Nと14Nが1:1で混合するDNAはその中間に位置する。 また帯の太さで存在量の絶対量もわかる。 当時、DNAの複製方式については3つの説があった。 ・「保存的複製」 (二重らせんをまるごと複製する形で、元の二重らせんはこわさず、新しい原料で新しい二重らせんを作る) ・「半保存的複製」 (二重らせんをほどき、それぞれの1本鎖を鋳型として新しい原料でもう1本鎖を作り、 らせんの片側が保存され片側が新しく合成された二重らせんとなる) ・「分散的複製」 (元のDNAと新しい原料から作られるDNAが両方のらせんに混在する) この3つの説が正しいとすると、1回分裂後・2回分裂後の帯の位置から判断されるDNAの重さの分布はどうなるか。 比率の比も含めて答えよ。 (深い位置→重い、浅い位置→軽い 中間の位置→中間となる) ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 保存的複製 ・1回分裂後 重い(深い):軽い(浅い)=1:1 ・2回分裂後 重い:軽い=1:3 半保存的複製 ・1回分裂後 中間の位置 ・2回分裂 中間:軽い=1:1 分散的複製 ・1回分裂後 中間の位置 ・2回分裂後 中間と軽いの中間の位置(14,25の位置) 解説 図に示すようになる。それは重い15NのDNAを赤、 新しい原料である軽い14NのDNAを黒で示した図の下側で理解いただきたい。 結局実際の実験結果は真ん中の結果となり半保存的複製が確かめられた。半保存的複製は 塩基の相補性を利用しておりもっとも正確な複製となる。 ★設問3 分裂を3・4・n回した時の帯の分布とその比を記せ。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 3回 中間:軽=1:3 4回 中間:軽=1:7 n回 中間:軽=1:2の(n-1)乗ー1 解説 上図の真ん中と同じように、染色体の図を書いていって中間と軽いの本数を数えればよい。 図を書く時、重いDNA(図では赤)は外側に書くようにするとみやすい。 ただ何回も書くのも大変なので3回ぐらいまで手作業でやった後は、法則性を見つける。 ・・・・中間:軽 比合計 1回後 1:0 1 2回後 1:1 2 3回後 1:3 4 4回後 1:7 8 n回後 1:2の(n-1)乗ー1 この方法は、バックナンバー175の「自家受精の繰り返し」のパターンに非常に似ているので見返しておいてほしい。 |