★設問1 カビは胞子をつくり無性生殖で増殖することがある。この胞子を何というか? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 分生子(conidia) ★設問2 カビは環境が悪化したりすると、菌糸どうしの細胞の間で接合がおき、減数分裂をして、その後胞子をつくることがある。 これは有性生殖を行った結果の胞子である。この胞子の名称を答えよ。また1つの接合子からいくつの胞子が生じるか? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 子のう胞子 8個 解説 nの菌糸由来の細胞どうしが接合し、一瞬2nの接合子となるが、すぐに減数分裂してnの細胞を4つ作る。 その後1回核分裂して、8個の細胞ができ、それが「子のう」と呼ばれる1つの房に入る。この「子のう」に入った胞子を「子のう胞子」という。 これがカビの特徴であり、カビを子のう菌という(コウボは普通は別の増え方をするが、子のう菌の仲間である)。 なおキノコは担子菌(たんしきん)といい、減数分裂した4つの細胞が別々の房に入り、核分裂は行わず4つの担子胞子を作る。 下図にまとめたので見てほしい。 ただし上下は変わりうるので 同じ可能性で a a a a A A A A という可能性もある。 また4個になった時、2番目と3番目が入れ換わることもあり A A a a A A a a や a a A A a a A A となることも少数だがある。 ・A4個、a4個 ・12番目、34番目、56番目、78番目は核分裂の結果なので同じ という原理は守られているので、試験に出た時はそれで考える。 なお総数だと Aとaが1:1で接合して減数分裂・核分裂してできる子のう胞子も A:a=1:1 なのであまり、有性生殖の意味を感じないかもしれないが、以下の設問まで考えると有性生殖の意味がよくわかる。 ★設問3 あるカビの生育に必要な遺伝子AとBがあり、これは別々の染色体上に存在する。その両方がないと最少培地では生育できない。 そしてABが変異欠損した遺伝子がabである。 今aBの株とAbの株をいくつか接合させ多数の子のう胞子が得られた。 得られた胞子の中で、最少培地で育つ胞子は何%か? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 25% 解説 AbとaBが接合し接合子はAaBbとなる。 別々の染色体にのっているため、減数分裂第一分裂の結果は Ab aB という分離となるか、 AB ab という分離となる。 これが子のう胞子をつくると Ab Ab Ab Ab aB aB aB aB (あるいはこの上下が入れ換わったもの) か AB AB AB AB ab ab ab ab (あるいはこの上下が入れ換わったもの) であり、胞子全体としては AB:Ab:aB:ab=1:1:1:1 となり、最少培地で生育できるものはABのみで25%である。 このように2遺伝子以上の組み合わせで考えると 接合→減数分裂→核分裂 の過程は 遺伝子構成の多様性を高め、環境変化に対して生存可能なカビの出現率を高める有性生殖のメリットを持っていることを確認できる。 この問題よく出題されます。 |