★設問1 同種個体群内の関係を考える。同種個体群内での以下の関係を何というか? 1、ニホンザルは他の群れと接触した場合、ボスザルを中心にした統率された行動をとる 2、数羽のニワトリを同じ場所で飼うと、つつく・つつかれる関係が決まってくる。 3、ある個体が他の個体を排除して、食料を独占したり、つがいをつくり営巣する空間を独占することがある。 4、同種個体群が集団で生活し、他個体から防衛することがある。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 1、リーダー制 2、順位制(ニワトリのつつき順位) 3、なわばり(territory) 4、群れ ★設問2 シロアリ・アリ・ミツバチのように集団で分業・役割分担しながら生活する昆虫のことを何というか? 哺乳類の群れにおける役割分担における分業と異なる点は何か? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 社会性昆虫(social insect) 哺乳類の群れの分業では、体型は不変で個体が役割を交代することが あるが、社会性昆虫では女王バチ・働きバチ・雄バチなどは体型も異なり、個体の役割を交代することはない。 ★設問3 なわばりを持つことの利益は何か?なわばりを維持するためのコストは何か? なわばり面積・利益・コスト・最適なわばり面積を説明するグラフを書け(電車の中などの人は頭の中で想像するだけでよい) ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 利益ー食料・配偶者とのつがいの空間の確保 コストー(なわばりを防衛するための)身回り活動・なわばり境界での他個体との闘争 グラフ(下図) 横軸で ・なわばり面積が大きい=個体群密度が小さい(疎である) ・なわばり面積が小さい=個体群密度が大きい(密である) と考える。 個体群密度が小さすぎる(横軸の右側)と、わざわざなわばりを持たなくても自然に食料も営巣場所も確保されるため、なわばりを持つ必要がない。 個体群が大きすぎる(横軸の左側)と、小さななわばりを持つことの利点よりコストのほうが大きいため、なわばりを解消して群れる。 なわばりがどんなに広くても、食料確保に必要な面積は無限に増えるわけではないので利益(赤)は増加しない。 一方、なわばりを持つことに伴い 身回りや闘争が増えるためコストが利益を上回りなわばりを持つ意味がなくなる。 最適なわばり面積とは「利益ーコスト」の差が最大となる面積である。 入試でこのグラフを「書かせる」問題が出題されることはないが「読ませる」問題は出るので理解しておきたい。 |