★設問1 ある鳥は群れをつくる。群れの中での各個体の行動は 「(天敵に対する)警戒行動」 「(群れの個体どうしの)食料の奪い合い」 「採餌(さいじ・えさを食べる)」 の3つの行動に区分され、その鳥は昼行性で行動時間は14時間とする。 天敵に対する警戒行動は、群れの個体の中で均等に時間分担するようになっている。 ある季節において行動時間が14時間で不変で、同じような食料と天敵の個体群密度の場所にいくつかの群れがあったとする。 群れaでは 警戒5時間、食料の奪い合い2時間 群れbでは 警戒3時間、食料の奪い合い3時間 群れcでは, 警戒2時間、食料の奪い合い5時間 であった。 abcにおける採餌時間を書け。 また、群れを大きさ(個体数)は「大(多)」か「中」か「小(少)」のどれか? また、3つの中で最適な群れの大きさはどれか? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 採餌時間 a7時間(14−5−2) b8時間(14−3−3) c7時間(14−2−5) 群れの大きさ a小(少)(警戒行動の分担が多く、食料の奪い合いは少ない) b中 c大(多)(警戒行動の分担は少なく、食料の奪い合いは多い) 最適な群れの大きさ b(採餌時間に最も時間が費やせる) ★設問2 ある状態で最適な大きさの群れに対する天敵が急に増えた。群れは大きくなるか小さくなるか? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 大きくなる 解説 警戒行動に時間を費やさないと生存できないため、群れを大きくし、共同防衛したほうが生存に有利。 ★設問3 ある状態で最適な大きさの群れが捕食する食料が減った。群れは大きくなるか小さくなるか? ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 小さくなる 解説 食料不足なので大きな群れは維持できない。 以上をグラフで説明すると以下のようになる。 しかし、群れが大きくなると食料の奪い合い(青)は増える。 警戒行動(赤) + 食料の奪い合い(青) の合計値が黒である。 この黒が小さいほど、採餌時間が多くなるため生存に有利であり、黒が最少になる点が最適な群れの大きさである。 天敵が増えると真ん中の図で、警戒行動に最初の状態に比べて時間がかかるので、黒の最小値は右(群れの大きさが大きい側)に移動する。 食料が減ると右の図で、食料の奪い合いに時間を要するため、黒の最低値は右に移動する。 この図の読み方は近年よく出題されている。 |