ティラノザウルスの頭の骨格(上野・国立科学博物館) 眼窩(眼のくぼみ)の後に2つの側頭窓という穴がある 「双弓類」であることがよくわかる。(眼窩+側頭窓2つで計3つの穴に見える) ★設問1 脊椎動物を無がく類・魚類・両生類とハ虫類・鳥類・哺乳類に区分した時のそれぞれの名称と分岐点となる特徴を答えよ。 ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 無がく類・魚類・両生類ー無羊膜類(anamniota) ハ虫類・鳥類・哺乳類ー羊膜類(amniota) 無羊膜類は水中発生なので羊膜含む胚膜はできない。 羊膜類は陸上発生なので乾燥などを防ぐため、羊膜含む胚膜ができる。 解説 aminonはギリシャ語のamnos(子羊)から由来し「羊膜」の意味 羊膜類は、無羊膜類と異なり、 ケラチンで角質化した皮膚やうろこ・羽毛・体毛など体からの水分の蒸発を防ぐのも特徴。 ★設問2 ハ虫類は古生代石炭紀に登場した後、いくつかのグループに分岐したが、 古生代末期の二畳紀(ぺルム紀)に体長2・3mに大型化したハ虫類はある現生動物に似た特徴を持つ。そのことからこのグループ何というか? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 哺乳類型ハ虫類(例、ゴルゴノプスなど) 解説 出現したハ虫類は頭骨の側面の眼窩(眼球の入ったくぼみ)の後ろの穴(側頭窓)の数によって3つに分岐した。 ・0個(無弓類)−カメ ・1個(単弓類)−哺乳類の祖先グループ ・2個(双弓類)−恐竜・鳥類・現生ハ虫類のほとんど 古生代二畳紀(ぺルム紀)に体長2・3mに大型化したハ虫類は単弓類であったため、哺乳類型ハ虫類と言われる。 なお「弓」の意味は側頭窓の後の骨の形が弓型に見えるため。 ★設問3 古生代から中生代に移る時に大きな地質学的変動により、生物の大量絶滅がおこり、 単弓類の哺乳類型ハ虫類の多くが絶滅し、中生代には代わりに双弓類の恐竜が大型化した。 古生代・中生代間の地質学的変動とは何か? またその結果起きた地球環境の変化は何か? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 マントルプルーム(スーパープルーム)(地球内部のマントルが、キノコ雲のように地殻に噴き出た) 温暖化と低酸素環境 解説 古生代ぺルム期(Permian)と中生代三畳紀(Triassic)の2,5億年前の地層境界線(PT境界)は、 中生代白亜紀(Kreide)と新生代第三紀(Tertiary)の0,65億年前の境界(KT境界)に比べ発見が困難で分析も進んでいない。 KT境界は隕石に多いイリジウムも含むことと、メキシコ・ユカタン半島の隕石衝突跡で、隕石衝突がほぼ確定した。 それが恐竜の絶滅と哺乳類の繁栄につながったとわかってきた。 しかしPT境界では大量の生物絶滅(三葉虫・フズリナなど)と生物の種類の変化(哺乳類型ハ虫類→恐竜)が起きたが、 その原因は確定していない。したがって入試問題で知識で聞かれることはないと思うが、考察問題・総合問題のために一番有名な説を紹介する。 1、大陸が集まり超大陸パンゲアができていた 2、その反動で、地中からマントルプルームが噴き出た。 3、・スーパープルームによって海底で メタンガスが閉じ込められた固体物質「メタンハイドレード」が溶け、大気中にメタンが増え、地球が温暖化した。 4、高温で海水の循環が滞り、また高温のため水の酸素溶解量が減り、低酸素で(三葉虫など)水中の多くの生物が絶滅した。 5、大気中でもメタンが酸素と結合し大気中の低酸素となった。 ★設問4 低酸素に適応して双弓類の恐竜が発達させ、恐竜の子孫である鳥類に引き継がれた肺呼吸の補助器官は? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 気のう (肺の手前に存在し、肺に効率的に空気を送り込みます。鳥は今でも上空の空気が薄い層でも適応できるのはこの「気のう」の手助けもあります。 |