★設問1 次の生物の次の視覚器は「明暗視」のみか、「方向視」「形態視」のいずれかをできるものか? 1、ミドリムシの感光点 2、ミミズの視細胞 3、昆虫の単眼 4、昆虫の複眼 5、プラナリアの杯状眼 6、オウムガイの穴眼(ピンホール眼) 7、タコ・イカのカメラ眼 8、ヒトのカメラ眼 ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 1、ミドリムシの感光点ー方向視 2、ミミズの視細胞ー明暗視 3、昆虫の単眼ー方向視 4、昆虫の複眼ー形態視 5、プラナリアの杯状眼ー方向視 6、オウムガイの穴眼(ピンホール眼)−形態視 7、タコ・イカのカメラ眼 8、ヒトのカメラ眼 解説 ・明暗視(brightness vision)は光の有無・強さだけを感受すること、 ・方向視(direction vision)は光の方向も感受すること(当然、明暗視の能力も含まれる) ・形態視(form vision)は「像視」(image vision)とも言われ、対象物の形態も感受すること 2、ミミズの体表面近くに分布する視細胞1つ1つは明暗視のみしかできない。しかしミミズは全身にこの視細胞があるため、 ミミズ全体としては明暗の方向がわかり、負の光走性などを示す。 1、ミドリムシが方向視ができる理由は以下の通りである。 ミドリムシにはべん毛の付け根に「眼点」という赤い色素のついた点がある。これがeuglena(ユーグレナ、eu-真の、glena眼) という学名の由来である。しかしこの「眼点」で光を感じるわけでなく、この眼点の近くにある「感光点」で感じる。 ある方向から来る光は「眼点」にあたってさえぎられるため「感光点」に入らない。 したがって、「眼点方向からの光」と「眼点方向以外の光」の方向を見分けることができる。 「タコ・イカの眼」「ヒトの眼」「昆虫の複眼」は入口に水晶体を持ち、光を集光・結像させて形態視ができる。 オウムガイの穴眼(ピンホール眼)はレンズはないが、入口に1点空いた穴からの光が、その対角線の位置の網膜に入るため、ぼんやりと形態視ができる。 昆虫の単眼は2つの複眼とは別に、2つの複眼の中間より上部(ヒトの顔でイメージすると額のような部位)に存在し、1個独立のため本格的な形態視はできず、方向視ができる。プラナリアの杯状眼もそうである。 ★設問2 昆虫の複眼の形態視が、オウムガイ・タコ・イカ・ヒトの眼の形態視と異なる点を2点書け ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 複眼を構成する複数の個眼の情報を総合している点と正立像である点。 (他は眼1つが1つの像を結び、それもひっくり返った倒立像である) 「個眼」とは複眼を構成する眼1つ1つのことをいい、「単眼」とは複眼とは独立した方向視をする眼である。意味が違うので注意。 ★設問3 ヒトの可視光線の波長の幅と、短波長側、長波長側の色を書け。 ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 380nm(ナノメートル)〜780nm 短波長側(380nm)は紫、長波長側(780nm)は赤 なおこの波長の幅は解釈によって20nmぐらいずれていることがある。 ★設問4 ミツバチが感受している色の中でヒトが見えない光は何か? 逆にヒトに感知できるがミツバチが感受できない光は何か? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 ヒトに見えず、ミツバチには見えるー紫外線 ヒトには見えるが、ミツバチには見えないー赤 (つまりミツバチの可視光線の幅はヒトより短波長側にずれている) |