-------------------------------------------------------------------------------- 明日の台風接近が心配ですね。授業の有無は駿台HPでご確認ください。 さて今日は設問でなく、知識の確認整理です。 内耳には ・蝸牛(うずまき管)ー聴覚 ・前庭−平衡覚(重力) ・半規管ー回転感覚 の3つを受容する受容器がある。 その共通点は、「リンパ液」に包まれ、毛をもった「有毛細胞」がある展である。 また3つとも頭骨の側頭骨の中の骨(迷路状なので「骨迷路」という)の中の膜迷路があり、その膜迷路の中にリンパ液(内リンパ液)が満たされた構造となっている。骨迷路と膜迷路の間のすきまもリンパ液で満たされていて、これを「外リンパ液」という。有毛細胞が存在するのは内リンパ液の中である。 次に前庭と半規管を見よう。 ★前庭 前庭の中には主に起立時に重力の向き(平衡)を感知する「卵形のう」と、仰臥時(寝た時)に感知する「卵形のう」という2つのリンパ液の池がある。図では水色で示している。その中に耳石膜が存在し、それと接する壁側に内耳神経が配置される。その間に有毛細胞がある。「耳石膜」は炭酸カリシウム結晶が粘液で固められた構造である。 たとえば起立時に体が左に傾き、(卵形のうの)耳石膜が左に傾くと、左側の有毛細胞の毛が刺激され、 その刺激が神経を通じ、「左に傾いた」という情報として脳に伝えられる。なお人間の平衡感覚は視覚情報と総合して感じるようになっているので、(この前庭の平衡覚がすぐに「傾いた」との意識につながるわけではない。) ★半規管 3つのリング状のものが互いに直行して存在するので、三次元の回転覚を感じられる。 それぞれの骨迷路の中の膜迷路にリンパ液が満たされたリングがあり、その一か所にクプラ(三半規管全体では3か所)がある。 体の回転に対して、内リンパ液はもとの位置にとどまろうとするため、見かけ上相対的にリンパ液の動きは体の回転の向きとは逆になる。 その回転がゼラチン質のクプラを動かし、その中にある毛がたなびき(少し動き)、その毛の根元の有毛細胞が刺激される。有毛細胞はその情報を脳に伝える。脳ではリンパ液が時計回りに動いた→体は反時計回りに回転と解釈し、体の回転方向が感知される。 |