★設問1 ヒトの胚が胞胚になるのは受精後何日目か?ヒトの胞胚を特に何というか?またその時(あるいはその時までに)起きることを2つ書け。 ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 6日目(1週間と考えてよい) 胚盤胞(blastocyst) 透明帯からの脱出(hatching、ハッチング、ウ二のふ化に相当) 子宮内膜への着床(implantation) ★設問2 胚盤胞の1層の細胞層、多層の細胞層を何というか?それぞれ将来何に分化する予定か?図示しなさい。(頭で思い浮かべてください) ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 1層ー栄養芽層(栄養膜細胞、trophblast) 多層ー内細胞塊(胚結節) (embryoblast,inner cell mass) 栄養芽層ーしょう膜の外側(ヒトでは絨毛膜(じゅうもうまく)という) 内部細胞塊ー胚・羊膜・卵黄のう・しょう膜の内側 ★設問3 京大グループらが、内部細胞塊の細胞を細胞して、分化全能性をもつ細胞株を確立した。 この名称を書け。また英語でも表記せよ。 その分化全能性を発現させる時には様々な濃度のある物質の培養液で培養する。その物質は何か? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 胚性幹細胞(ES細胞) embryonic stem cell アクチビン 解説 バックナンバー69 (浅島誠さんの研究)参照 ★設問4 ES細胞利用に伴う倫理的問題と医療に応用した場合に生じる技術的問題を書け。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 ・ヒトになりうる命を破壊すること ・仮にES細胞で臓器・組織を形成させても、患者側と免疫タイプが異なるため拒絶反応が起きる。 解説 不妊治療で余った余剰凍結受精卵が使われることが多い。本来は赤ちゃんになりうる命を破壊する問題と、患者とは別人の受精卵由来の細胞のため拒絶反応が起きる。 (または分化全能性を発現させる過程でガン化しやすいという問題もある) ★設問5 ES細胞の倫理的・技術的問題の克服のため、 京大の研究者が分化全能性もつ細胞として近年確立した細胞は何か?その名称と作成方法、技術を確立した研究者名を書け。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 ・iPS細胞(induced Pluripotent Stem Cell 人工多能性幹細胞) ・患者自身の体細胞に4つ(3つの場合もある)の遺伝子を導入することで細胞の全能性を発現させる ・山中伸弥さん 解説 iPS細胞は画期的な技術ではある。倫理・拒絶反応の問題をクリアできると注目されているが、 細胞のがん化も含めた技術的な問題も含めると、すぐに実用化される段階ではないので、現段階では可能性の1つと考えたほうがよい。 ★設問6 各臓器や組織の中にあるその臓器・組織に分化できる細胞を培養して、再生医療に利用する方向がある。そのような細胞を何というか? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 体性幹細胞 解説 これは患者自身の体細胞の各臓器・組織の中にある、(分化全能性はないが)その系列の臓器・組織にならば 分化できる細胞を外部に取り出し、増殖を促進させて、 患者の体内に戻すものである。「培養表皮シート」など実際に実用化されている。 失われた組織や臓器の機能を取り戻す医療を再生医療というが 再生医療とはES細胞・iPS細胞だけでなく、 この体性幹細胞利用も想定されており、実用化に最も近い(一部は実用化)されていることを知っておいてほしい。 |