問1 DNAはどのように核内に収納されるのか、図を書き説明せよ。(頭の中で思い浮かべるだけでもよい) DNAを巻きつけているタンパク質を何というか? ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 答 DNAを巻きつけるタンパク質ーヒストン 解説 太さ2nmのDNAはタンパク質ヒストンに巻きつき直径10nmのヌクレオソーム(nucleosome)になる。そのヌクレオソームがまたらせん状に巻きつけられ、内部の空洞も含め直径30nmのソレノイド状構造になり、 30nm線維と言われる。この30nm線維が折りたたまれ700nmの染色分体となる。(S期を経ると、この染色分体が2本の束となった染色体となる。) 染色体は核内のある場所に局在し、その近くの別の場所には別の染色体が存在する。 細かい数値や名前まで詳しく知らなくてもよいが、だいたいのイメージは知っておいたほうがよい。少し出題され始めている。 問2 ヒストンを構成するアミノ酸の比率は、他のタンパク質のアミノ酸組成と比較して、塩基性・中性・酸性アミノ酸のどれが多いか? またその理由は? ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 答 塩基性アミノ酸 (リシン・ヒスチジン・アルギニンの3つの)塩基性アミノ酸は側鎖にNH3+などがあり+に帯電するので、ーに帯電するDNAのリン酸と電気的に引き合い、収納を強固にする。 以下は発展編です。 問3 ヒストンにアセチル基が結合することをヒストンアセチル化といい、核内で起きる現象である。それは遺伝子発現を促進するか抑制するか? ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 答 促進する 理由 ヒストンがアセチル化されるとき、塩基性アミノ酸側鎖のNH3+に結合し、 NH2-CO-CH3 とし、+の帯電を0にリセットする。するとDNAのリン酸のーとの結合が弱くなり、DNAがヒストンから離れ、転写・遺伝子発現しやすくなる。 逆にアセチル化した部分が脱アセチル化されると、遺伝子発現が抑制されている。 核内にはアセチル化酵素・脱アセチル化酵素両方があり、状況によって発現・抑制を変えている。 |