問1 次の酵素をその作用から「加水分解酵素」「酸化還元酵素」「脱離酵素」「転移酵素」に分類せよ。 1、コハク酸脱水素酵素 2、乳酸脱水素酵素 3、アミラーゼ 4、トランスアミナーゼ 5、リパーゼ 6、ピルビン酸脱炭酸酵素 7、トリプシン 8、ATPアーゼ 9、シトクロムオキシダーゼ 10、カタラーゼ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 解答 「加水分解酵素」(hydrolase,消化酵素とATPアーゼが代表) 3、アミラーゼ(amylase)ー デンプン(starch,amyloseとamylopectinで構成)を加水分解。だ液・すい液に含まれる消化酵素。 5、リパーゼ(lipase)ー 脂質(lipid)の一種である脂肪(fat)をグリセリン(glycerine)と脂肪酸(fatty acid)に加水分解する。すい液に含まれる消化酵素。 7、トリプシンー ペプトン(pepton、胃液pepsinでのタンパク質分解産物)をポリペプチド(polypeptide)に加水分解。すい液に含まれる消化酵素 8、ATPアーゼ ーATPの2番目と3番目のリン酸の間の高エネルギーリン酸結合を加水分解し、様々な生命活動に使うエネルギーを取り出す酵素 ATP + H20 ↓ ADP + リン酸 + エネルギー(生命活動に利用) この逆反応を主に行う酵素を特にATP合成酵素(シンターゼ・syntase)という。 「酸化還元酵素」(oxidoreductase) 1、コハク酸脱水素酵素(succinic dehydrogenase) 文字どおりコハク酸から脱水素しフマル酸にする酵素。クエン酸回路。 2、乳酸脱水素酵素(lactate dehydrogenase) 文字どおり乳酸から脱水素しピルピン酸にする作用もあるが、実際は乳酸発酵の後半で「ピルビン酸→乳酸」を促進する働きが有名。 9、シトクロムオキシダーゼ(cytochrome oxidase) ミトコンドリアの電子伝達系で 24H+ + 24e- + 602 →12H20 をする酵素。 10、カタラーゼ(catalase) 2H202 → 2H20 + O2 酸素や水素の結合・分離をする酵素は酸化還元酵素と総称される。 「脱離酵素」(lyase) 6、ピルビン酸脱炭酸酵素(pyruvate dcarboxylase) 「ピルビン酸→活性酢酸」のプロセスでCO2をはぎとる酵素。単独02を分離するのではないから「酸化還元酵素」ではなく、CO2分子をはぎとるので脱離酵素と言われる。 「転移酵素」(transferase) 4、トランスアミナーゼ(transaminase) アミノ基転移酵素ともいう。 各種有機酸(CHO化合物) + グルタミン酸 ↓ 各種アミノ酸(CHON化合物) + αケトグルタル酸 をする酵素。 グルタミン酸のアミノ基(-NH2)を有機酸に受け渡す(転移する)。 ◆特に消化酵素の流れはよく聞かれるので繰り返しになりますが、確認しましょう。 消化酵素名[ ]とそれを含む消化液名( )名を書け 『』には物質名を書け []()『』が2つ時は酵素・消化液・物質名が2つある時である。 問2 デンプン ↓ ↓←[ ]( )( ) ↓ 『 』 ↓ ↓←[ ]( ) ↓ グルコース ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 問2解答 デンプン ↓ ↓←[アミラーゼ](だ液)(すい液) ↓ 『麦芽糖(マルトース)』 ↓ ↓←[マルターゼ](腸液) ↓ グルコース すい液からのアミラーゼもある。麦芽糖(マルトース)はグルコースが2つ結合した二糖類。 問3 ショ糖 ↓ ↓ ↓←[ ]( ) ↓ 『 』『 』 ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 問3解答 ショ糖(スクロース) ↓ ↓ ↓←[スクラーゼ](腸液) ↓ 『グルコース』『フルクトース(果糖)』 問4 乳糖 ↓ ↓ ↓←[ ]( ) ↓ 『 』『 』 ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 問4解答 乳糖(ラクトース) ↓ ↓ ↓←[ラクターゼ](腸液) ↓ 『グルコース』『ガラクトース』 問5 タンパク質 ↓ ↓ ↓←[ ]( ) ↓ ペプトン ↓ ↓←[ ][ ]( ) ↓ 『 』 ↓ ↓ ↓←[ ]( ) ↓ アミノ酸 ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 問5解答 タンパク質 ↓ ↓ ↓←[ペプシン](胃液) ↓ ペプトン ↓ ↓←[トリプシン][キモトリプシン ](すい液 ) ↓ 『ポリペプチド』 ↓ ↓ ↓←[ぺプチダーゼ](腸液) ↓ アミノ酸 ・ペプトンをポリペプチドと表記している場合も多い。 ・胃液には塩酸が含まれ殺菌を行うとともに、不活性型ペプシノゲンを活性型のペプシンにさせる。 ・トリプシン・キモトリプシンもそれぞれトリプシノゲン・キモトリプシノゲンとして分泌されてから変化する。 ・生物ではキモトリプシンを無視することも多いが、化学では出題されるので知っておいたほうがよい。 問6 脂肪 ↓ ↓ ↓←[ ]( ) ↓ 『 』『 』 ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 問6解答 脂肪 ↓ ↓ ↓←[リパーゼ](すい液) ↓ 『脂肪酸』『グリセリン』 脂肪は、肝臓で作られ、胆のうに貯蔵されたのち分泌される胆汁によって乳化されて、リパーゼが働く表面積を増やしてからリパーゼが働く。 |