★設問1 一遺伝子一酵素説を提唱した学者名を2人書け。また使った実験材料は何か? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 ビードル・テータム アカパンカビ ★設問2 アカパンカビがこの研究など遺伝子研究の材料として好都合な理由を述べよ。 ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 一倍体(n)のため、遺伝子型がそのまま表現型に現れ一致する。 解説 劣性遺伝子が優性形質に隠れて発現しないニ倍体の生物ではこれから述べる代謝系の研究で結果が出しにくい。 なお「一世代が短い」なども好都合な理由 であるが、この分野の出題では「一倍体なので遺伝子型と表現型が一致する」ということを問う場合が多い。 ★設問3 ビードル・テータムはアカパンカビにX線を照射し、 (野生のアカパンカビが育つ最小限の成分が入った)最少培地では育たない突然変異種を様々得た。 その中で、特定の栄養分を加えれば生育できる株を「栄養要求性突然変異種」といい、 その中の一種が、アルギニンを加えれば生育できる種をアルギニン要求種である。 アルギニン要求種には、3種類あり、その研究から一つの遺伝子が一つの酵素の合成を支配しているという 一遺伝子一酵素説が確立された。その時の実験結果を表にまとめたのが以下の表である。 この表を見て、野生株の代謝経路やそれに関わる遺伝子、変異株2の遺伝子変異と最少培地で育てた時の様子を説明せよ。 (書かなくても頭の中で説明を思いうかべるだけでよい) ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 野生株は最少培地に含まれる前駆物質(グルタミン酸)からオルニチン→シトルリン→アルギニンの順に合成をすることができる。 その3ヶ所の反応に関わる 3種の酵素(酵素1・2・3)が正常で、それを指定する3つの遺伝子(遺伝子1・2・3)も正常である。 したがって「最少培地」でも「最少培地+オルニチン」 「最少培地+シトルリン」「最少培地+アルギニン」いずれの培地でも生育できる。 変異株2は、「最少培地」や「最少培地+オルニチン」では生育できないが、 「最少培地+シトルリン」「最少培地+アルギニン」ならば生育できる。これは「オルニチン→シトルリン」を行う酵素2が欠損・変異しており、 それを指定する遺伝子2が変異していると考えられる。 そして最少培地で変異株2を育てると、 「前駆物質→オルニチン」までは合成できるので、 生存はできないが、培地には(生存しようと代謝を進めた結果)オルニチンが蓄積すると考えられる。 解説 実際の入試では、このような長い記述で聞かれるよりも、 表の中の変異の位置の読み方を聞かれることが多い。ただ原理として理解しておいてほしかったので会えて説明を求める出題にした。 まず、よく出されるこの表は、最初からこの表があったわけではなく、ビードル・テータムは様々な実験結果を論理的に並び変えてこの表を完成させた。 表の黒字の部分が実際の実験結果、赤字の部分が、この表を解釈した説明と考えてほしい。 突然変異については、1つの株で同時に2か所変異になる可能性も0ではないが、非常に少ないし、 それを出すと混乱するので、変異は1か所と考えてよい。 すると表のー(生育できず)と+(生育)の間の代謝の酵素・遺伝子が変異していると解釈すれば、変異株が3種あることがよくわかり、一遺伝子一酵素説がはっきりする。「前駆物質→オルニチン」までは合成できるので、 生存はできないが、培地には(生存しようと代謝を進めた結果)オルニチンが蓄積すると考えられる。 解説 実際の入試では、このような長い記述で聞かれるよりも、 表の中の変異の位置の読み方を聞かれることが多い。ただ原理として理解しておいてほしかったので会えて説明を求める出題にした。 まず、よく出されるこの表は、最初からこの表があったわけではなく、ビードル・テータムは様々な実験結果を論理的に並び変えてこの表を完成させた。 表の黒字の部分が実際の実験結果、赤字の部分が、この表を解釈した説明と考えてほしい。 突然変異については、1つの株で同時に2か所変異になる可能性も0ではないが、非常に少ないし、 それを出すと混乱するので、変異は1か所と考えてよい。 すると表のー(生育できず)と+(生育)の間の代謝の酵素・遺伝子が変異していると解釈すれば、変異株が3種あることがよくわかり、一遺伝子一酵素説がはっきりする。 |