問1 PCR法で増幅したい領域の両端に相補的な塩基対、20塩基対程度を持つDNA断片をDNA primerといい、両側の鎖に必要なので2種類ある。このような塩基配列のprimerを作ることをprimer設計という。 ★問1 PCR法で増幅したい領域の両端に相補的な塩基対、20塩基対程度を持つDNA断片をDNA primerといい、両側の鎖に必要なので2種類ある。このような塩基配列のprimerを作ることをprimer設計という。 primerの長さが20塩基のものを使うと、30億塩基対のDNAを持つヒトゲノム資料の中でも特定の目的領域だけが増幅できる。このことを数値や確率を使って説明しなさい。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 答 塩基にはATGCの4種があり、それが20種類並んだものは 4の20乗通り=2の40乗通りある。 2の10乗=1024≒10の3乗なので 2の40乗=(2の10乗)の4乗 =(10の3乗)の4乗 =10の12乗 =1兆通り つまり偶然その20塩基と相補的になるDNA配列が「試料」に存在する確率は 1/1兆 30億塩基対のヒトゲノムの場合、偶然一致する確率はほぼ0と考えてよく、研究者が正確に設計したprimerは目的以外のDNA部位を増幅させる(実験の失敗の)可能性は考えなくてよい。 問2(京大出題類題) 本当は20塩基対ぐらいが多いが、メルマガの画像の大きさの都合で12塩基primer設計で考える。 遺伝子領域ATGACGGAATAT・・」GTGCTCTCCTGA を増幅する各12塩基のprimer2種の塩基配列を考え答えよ。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 答 ATGACGGAATAT(最初の配列と同じ) TCAGGAGAGCAC(最後の配列の相補配列を←の向きにに表記した) 解説 下図で解説する。 解く流れ @設問に与えられたDNA配列を黒で示し、 遺伝子の表記の約束から→の向きが 5´→3´方向なので その矢印を表記する Aその相補鎖を考える(青)。向きは「←」であることを明記する。 Bそれぞれに鎖に相補的なprimerを、「矢印の向きが必ず逆平行」である原則を考えながら書き、矢印も書く(図の赤) 最後の読む時には「←」の場合は、「←」の順に塩基を読むものが答であることに注意。 |