★設問1 ABO式血液型の遺伝子型と表現型の対応をすべて説明せよ。 このような遺伝現象を何というか? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 表現型 遺伝子型 AB型 AB A型 AA、AO B型 BB、BO O型 OO 複対立遺伝子 解説 AとBは優性、Oが劣性なので AO、BOはA型、B型となる。 AとBは対等なのでABでは両方の遺伝子が発現(赤血球表面にA型糖鎖とB型糖鎖をつける)し、AB型となる。 両親にある2つの遺伝子座に関し、その生物種としては3つ以上の遺伝子があり、 両親からうち2つを受け継ぐので多様な組み合わせがある遺伝現象を複対立遺伝子という。ABO式では3つだが、他の遺伝子では 4つ以上の複対立遺伝子がある場合もある。 ★設問2 ある家族で子どもにAB型、A型、B型、O型のすべてが生まれた。両親の遺伝子型は? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 AO×BO 解説 0型(OO)が生まれているので、両親はそれぞれ0を持つ。 AB型(AB)が生まれているので、両親のそれぞれがAかBを持つ。 よってAOとBO ★設問3 かつてABO式血液型はニ遺伝子雑種であるという考え方があった(旧説)。[AB][Ab][aB][ab]がそれぞれAB型、A型、B型、O型になるということである。 今は複対立遺伝子説(新説)が正しいとわかった。 旧説においてAB型とO型の両親から生まれてきうる子の表現型は何か? 新説においては何か?(センター過去門をアレンジ) ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 旧説ーAB型、A型、B型、O型 新説ーA型、B型 解説 旧説でAB型がAaBbだったとする。O型はaabbなので AaBb×aabb→AaBb(AB型)、Aabb(A型)、aaBb(B型)、aabb(O型) 新説では AB×OO→AO、BO ★設問4 普通、ABO遺伝子は両親から受けついだ2本の第9染色体のある部分にそれぞれのっているが、 まれに片側の染色体にABが両方のっている「cisAB型」という場合がある。 もう1本の染色体にはO遺伝子がのっている「cisAB型」の人とO型の人の子どもにには何型の子が生まれるか? ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 AB型(cisAB型)とO型 下図(右)の通り。 血液検査では「cisAB型」とわかるわけではない。AB型とわかる。 したがって普通のAB型とO型の子は A型とB型となること(上図(左))と異なる結果が出ることから遺伝子検査をして判明することになる。 身近なABO式血液型で、簡単な説明で出題できる内容なので、出題可能性あり。 ★設問5 Rh式血液型、MN式血液型の遺伝形式を説明せよ。 ↓ ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ 答 Rh式はメンデル遺伝 (Rh+Rh+、Rh+Rh−はRh+型、Rh−Rh−はRh−型) MN式は不完全優性 (MMはM型、MNはMN型、NNがN型) 解説 血液型は他にもあるが、ABO式、Rh式、MN式が最も出題される。 三者三様に異なるので理解しておきたい。 |