先日ご案内し、サイトトップに掲載の通り、本日夜7〜10時、飯田橋にて自習質問教室開きます。よかったらおいでください。 設問 「激しく運動する動物の筋肉では、ピルビン酸から乳酸が生成される。この反応は、還元型補酵素Xの存在下で乳酸脱水素酵素が触媒する。 ピルビン酸の濃度を変化させたときの乳酸脱水素酵素による乳酸生成速度を求めた 酵素量は一定で、十分量の還元型補酵素Xが存在し、その他の反応条件も同じにした(1)。 ピルビン酸濃度が低いときは、ピルビン酸濃度が高くなるにつれて乳酸生成速度は増加した。 (2)ピルビン酸濃度がある一定の値を超えると、乳酸生成速度は最大に達した。 (グラフ略) 同様の測定をある濃度のオキサミド酸存在下で行ったところ、乳酸生成速度の割合が低下した。(3) しかし、ピルビン酸濃度を十分に高くすると、乳酸生成の最大速度はオキサミド酸を加えないときと同じになった。 参考にピルビン酸とオキサミド酸の構造を示す。 ピルビン酸 CH3 | C=0 | COOH オキサミド酸 NH2 | C=O | COOH 問1 基質濃度以外に酵素反応速度に影響を与える反応条件を2つあげよ。 問2 (2)の現象が起きる理由を40字以内で述べよ。 問3 オキサミド酸が反応速度が低させたしくみでで正しいものを1つ選べ。 1、酵素タンパク質を変性させた 2、酵素の活性部位に不可逆的に結合した 3、酵素の活性部位に可逆的に結合した 4、酵素ー基質複合体を安定化させ乳酸の生成を抑制した 5、酵素の活性部位以外の部位に不可逆的に結合し酵素活性を低下させた ↓ ↓ (しばし考える) ↓ ↓ ↓ 解答 「1ー温度。pH 2−基質が高濃度で全ての酵素が常に基質と結合している状態となったため 3ー3(競争阻害) ●解説「アロステリック阻害と競争阻害」 アロステリック阻害とは、酵素反応の最終産物などが、その酵素の活性中心「以外」(allo-他の)の場所(steric)に結合し、 結果として酵素全体の立体構造が変化し、活性中心も変化し、基質と結合しにくくなります。 一方、基質に類似の物質が酵素の活性中心に競争的(競合的)に結合することで基質の反応を妨げるのが競争阻害です。 オキサミド酸は基質のピルビン酸と分子構造が類似しているので「競争阻害」で3ですね。結合後、自由に離れることもできるので「可逆的」 です。 競争阻害では基質が大量になると阻害効果が少なくなります。競争阻害は酵素が「本物」(基質)と間違えて「まがいもの」(競争阻害剤)と結合してしまうことによります。 「本物」が大量になって、「まがいもの」と結合する確率が減れば阻害効果は少なくなります。 |