-------------------------------------------------------------------------------- 本日20日(金)夕方4〜9時、飯田橋CSTにて、自習していただき必要があれば私に質問していただく自習質問教室を開きます。参加費は1000円(会場代+飲み物代)。よかったらおいでください。 」 ★設問1 人でのアドレナリン・チロキシンのもたらす共通の代表的な作用を2つあげよ。人以外の生物でのチロキシンの代表的な作用を1つあげよ ↓ ↓ ↓ (しばし考える) ↓ ↓ ↓ ↓ 解答 ヒト〜「血糖上昇」「発熱」 チロキシンの他の生物での働き〜両生類の変態・鳥類の換羽 ★設問2 アドレナリン・チロキシンの合成の直接の原料アミノ酸と、そのアミノ酸の合成の原料となるアミノ酸を答えよ。 ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 チロシン(朝説明した通り) フェニルアラニン(必須アミノ酸) 解説 人の体内では合成できず、食物からとらなければならないアミノ酸を必須アミノ酸といい、アミノ酸20種中8種が必須アミノ酸である。 体内で、チロシンはフェニルアラニンに水酸基(OH)を付加することで合成される。 「チロシン」は原料の「アミノ酸」の名称、「チロキシン」はそれから合成される誘導体の「ホルモン」 の名称なので勘違いしないこと。 またチロキシンは読み方によって「サイロキシン」と表現される。 ★設問3 アドレナリン・チロキシンどちらが水溶性が強く、脂溶性が強いか?またチロキシンの分子内にあるチロキシン特有の元素は何か? ↓ ↓ ↓ (考える) ↓ ↓ ↓ 答 アドレナリンが水溶性が強く チロキシンが脂溶性が強い。 チロキシン特有の元素ーI(ヨウ素) 解説 この水溶性が強い、脂溶性が強いという特徴は、 明日以降解説するホルモンの働き方にとって非常に重要である。 下図が分子構造である。この分子構造を書かせる問題が生物で出題されるわけではないが、分子式が書いてあって名前を聞く問題は聞かれる可能性はある。 つまり「書けなくてもよいが読めたほうがよい」ということである。 チロシンの青のOHの部分がないのが、必須アミノ酸「フェニルアラニン」である。ベンゼン環より上をとると、 側鎖CH3のアラニンである。それに「フェニル基」(ベンゼン環)がついたので「フェニルアラニン」である。 それがアドレナリンに変化する時は赤・紫の部分が付加される。 水酸基OHが2つ付加され、分子中に3つも0Hがあるので、ベンゼン環の疎水性の性質を上回り親水性となる。 なお紫で書いたメチル基CH3がないと分子がより直鎖状(ノルマル)になり、「ノルアドレナリン」と呼ばれる。 ノルアドレナリンとアドレナリンはメチル基1つの相違である。 高校生物では「アドレナリン=ホルモン」 「ノルアドレナリン=神経伝達物質」と二律区分するが、実際は混在した状態で働くことも多い。 チロキシンでも赤の部分がチロシンから変化した部分である。 ベンゼン環が1つ多い。詳しい過程は省略するが、ベンゼン環1つのチロシンが2つ結合して合成されるからである。 分子内にベンゼン環が2つある一方、 水溶性の水酸基0Hが1つしかないので水に溶けにくく脂溶性である。 詳しい分子構造は書けなくても(脂溶性の)ベンゼン環の数と(水溶性を示す)水酸基の数の比で、どちらの性質かはわかるはずである。 なおチロキシンは、ホルモンの中では唯一ヨウ素Iを含むのが特徴で、チロキシン合成臓器である甲状腺にはヨウ素が蓄積されている。 |