麻生副総理ら4閣僚が靖国神社に参拝し、安倍首相は真榊を奉納しました。 靖国神社はA級戦犯を合祀していることだけが問題なのではありません。 日本軍国主義による侵略戦争を 「自存自衛の正義のたたかい」 「アジア解放のたたかい」と美化、宣伝する特殊な施設であることこそ、最大の問題です。 参拝や奉納は、侵略戦争を肯定する立場に自らの身を置くことを宣言するものにほかなりません。
この傲慢きわまる姿勢、居直りの姿勢を許すわけにはいかない。 安倍首相が、「侵略の定義は定まっていない。 国と国との関係でどちらから見るかで違う」とのべたことも重大です。 あの戦争を侵略といわないつもりでしょうか。 ポツダム宣言を認めないつもりでしょうか。 首相が、過去の侵略と植民地支配を「国策の誤り」と認めた「村山談話」を、後退させようという歴史逆行の意図をもっていることは明らかです。
国会の中だけみれば、改憲派は数が多いように見えます。 しかし国民の中では理性をもって憲法問題を考えようという人々が多数です。 安倍内閣の改憲への暴走は、みずから矛盾と破たんをつくりだしています。 その弱点を徹底的に突き、暴走を世論と運動で孤立させるため、力をつくそうではありませんか。
維新の会の石原共同代表などは、党首討論で、北朝鮮問題は 「改憲の好機」だとまで言って、憲法改定をけしかけました。
安倍首相は、対話による解決の外交戦略をもっていないではありませんか。 「力対力」の立場にたって、これらの問題を、軍事力強化、憲法9条改定に利用しようという態度をとっていることこそ、思慮も分別もない最悪の党略的態度だということを、私は言いたいと思います。
人類社会で紛争をなくすことは難しいかもしれません。 しかし紛争を戦争にしないことはできます。 人類の英知によってそれは可能です。 東南アジアの国々――ASEAN(東南アジア諸国連合)は、TAC(東南アジア友好協力条約)やARF(アセアン地域フォーラム)など、多国間の対話の枠組みを作り、域外にも広げ、その合言葉は、 「紛争を戦争にしない」 「紛争の対話による解決」です。 ASEAN方式を、北東アジアに広げるという構想こそ大切ではないでしょうか。
それが憲法第9条です。 憲法9条を守りぬくとともに、その生命力を存分に生かして、アジアの平和、世界の平和に貢献する日本をつくろうではありませんか。 13年5月4日 赤旗日刊紙要約 ◆96条改訂阻止を ◆憲法の日特集 ◆守ろう憲法9条 ◆こんにちはトップ |