■神前の捧げ物

古来、神前には円形の鏡を祀るのが日本の礼式でした。
奈良時代の頃から鏡餅は神前の捧げ物として既に用いられていたようです。
日本人の文化として古くから根付いていた鏡餅は、やがて正月飾りとしては欠か すことのできないものとなりました。
鏡餅が現在のような華やかな形で供えられるようになったのは、家に床の間が作 られるようになった室町時代以降のことです。

神聖なものである鏡餅には、人々の様々な願いが込められるようになり、譲葉・ 熨斗鮑(のしあわび)・海老・昆布・橙などの華やかな飾りを載せた現在のよう な具足餅(ぐそくもち)=武家餅になったそうです。