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レベルアップ研修
戸澤明子先生 第1回 「症例写真を使ったエンビロンカウンセリングの実例」 ![]() この10年間で商品ラインナップも格段に増え、トリートメントテクニックもどんどん進化してきているエンビロンスキンケア。 エンビロンスキンケアの基本を大切にしながら、担当者の考え方、個性によって微妙にホームケアアイテムの出し方やサロントリートメントの内容が異なることがあります。 もちろんそれが許容範囲の中であれば問題はないのですが、スタッフも増え、エンビロンの進化も早い中で、今日のレベルアップ研修は、もう一度原点に返るという意味を込めて戸澤ドクターにお願いいたしました。
前半:ディプロマ研修の総復習 ![]() 1.究極のアクティブエイジングとは 研修に先立ち自己紹介された戸澤先生、今年の7月1日に75歳になられるそうです。(スタッフからどよめきが!) 背筋がピンと伸び、お肌はハリがあってツヤツヤです。 動きはキビキビとされ、声も大きくオーラに包まれています。 先生曰く、「高齢化社会を迎える日本において、これからのエステティシャンの使命は私のようにいくつになっても元気でキレイな女性をたくさんつくること。」ということをお話しくださいました。 単なる美容にとどまらず、この仕事を通して明るい日本の未来を創造することの一役を担うことができる素晴らしさと可能性を気づかせてくださいました。 戸澤先生はいつも死ぬその日まで人の世話にならないで元気で生きれる「ピンピン、コロリの生き方」の大切さをお話ししてくださいます。 そのことは正にアンチエイジングのテーマですが、先生はあまり“アンチエイジング”という言葉が好きではありません。 好んで使われるのが“アクティブエイジング”です。 アクティブエイジングの有力な方法の一つに成長ホルモンの補充療法がありますが、リスクも伴います。 筋肉を鍛えることで自らの体内でこのホルモンを作り、補えば薬ではありませんので何のリスクもありません。 それを手軽に誰でも高効率に実現できるのがパワープレートです。 そして、外面の美しさと若さを保つエンビロンとホルモンという内面に働きかけるパワープレートとの組み合わせは、今後の高齢化社会に対して問題解決の一筋の道筋を創ろうとしています。 (中略) ですから今後のアクティブエイジングの究極は、「運動療法と食事療法、そして正しいスキンケア」と結論づけられました。 ![]() 2.肌の老化の原因 今日の研修で驚いたことは、肌の老化の原因の80%が光老化ということを教えていただいてきましたが、どうやらそのパーセンテージが最新の医学情報では90%近くを占めるということがわかってきたそうです。 10年前の研修で、逆らうことのできない遺伝子レベルの『自然の老化』が20%で『光老化』が80%と聞いた時に非常に驚きました。 それがさらに10%も増えたということは、アクティブエイジングを考える時に人為的に有効な手段を講じれば、かなり高い確立で老化をくい止めたり予防できるということが考えられます。 光老化とは日光によるダメージ、すなわち紫外線とフリーラジカル(活性酸素)によって引き起こされます。 紫外線は、波長の長いA波による即時黒化と波長の短いB波による紅斑というダメージを皮膚に与えます。 この光は直接的に細胞内の遺伝子を傷つけ、長期間にわたりそのダメージを蓄積させます。 また紫外線は、体内に多量の活性酸素を発生させ細胞膜の脂質と結びついて過酸化脂質へと変化させます。 これが肌サビと言われるものでシミ、シワの最大の原因になるのです。 3.コミュニケーション能力の重要性 外部環境において重要なことは“見た目”です。 人は出会って15秒間でその人の65%を判断します。 それくらい外見は大切です。 アクティブエイジングのお話しの延長として魅力ある人の生き方やそれを実践するという内容までお話しが広がり、スタッフ全員に戸澤先生から質問がありました。 「魅力のある人というのは、全員オーラを持っています。そのオーラの中で一番大切なこととはいったい何でしょうか?」 (全員沈黙) その答えは「コミュニケーション能力です。」 男でも女でも気負った人はどこかにコンプレックスを持っています。 逆に自分に自信のある人はいつも自然体です。 このコミュニケーション能力が高い人は、プライベートにおいても仕事においても何をやっても成功します。 ましてや接客業であるエステティシャン、ビューティセラピストにおいてはとても大切な能力です。 それではそれを身につけるためにどのようにしたら良いのでしょうか? それは「努力すること、学習すること、常に考えることです。」そして多くの人にもまれながら実績を残すこと。 それが自信につながるというお話しでした。 4.光老化対策としてのビタミンAの役割 皮膚の光老化対策の主役はビタミンAです。 ビタミンAは、紫外線や活性酸素で傷ついた遺伝子や細胞膜を修復するノーマライザー的な役割や表皮のケラチノサイトや真皮の線維芽細胞の成長と分裂を促進させ新陳代謝を活発化させます。 結果としてシミ、シワを改善します。 このビタミンはレチノイドと総称される有機化合物ですが、化学的な構造により5種類に分類されます。(パルミチン酸レチノール、酢酸レチノール、レチノール、レチナール、レチノイン酸) そして最終的にビタミンAが細胞の核内の遺伝子レベルに働きかける時にはレチノイン酸として作用します。 5.パルミチン酸レチノールの特長 皮膚に通常蓄えられているビタミンAはその90%がパルミチン酸レチノールという形態で貯蔵されています。 そして必要に応じて蓄えられているパルミチン酸レチノールがレチノール→レチナール→レチノイン酸へと変換され細胞に対して前述のような働きをします。 ところが残念なことにこのパルミチン酸レチノールは、紫外線にたった20分当たるだけでその40%が壊されてしまいます。 ですから私たちが皮膚の老化対策を考える時、この最大の味方であるビタミンAの慢性的な貯蔵不足をどのように改善するかということが重要なテーマになってきます。 今回、戸澤先生が教えてくださった方法は、サンスクリーン剤であるラドローションとβシリーズのノーマルナイトクリーム、ウルトラナイトクリームのカクテル塗布です。 ベータシリーズのビタミンAは、パルミチン酸レチノールが主成分です。 このパルミチン酸レチノールには、サンスクリーン効果があることがわかってきました。 ノーマル・ナイトクリームではそのビタミンAの含有量でなんとSPF20に相当するサンスクリーン効果があるそうです。 それを通常のラドローションとまぜあわせて使うことでSPF20+SPF16ですからSPF36に相当する紫外線ブロック力があり、しかも吸収剤や散乱剤という化学薬品の使用を最少限に抑えることができるので肌に負担をかけません。 戸澤先生は、この1年くらいそれをウルトラ・ナイトクリームで毎朝実践されているそうで、その効果を絶賛されていました。 (サイト上では、Dr.フェルナンデスの安易なビタミンAの含有量競争を避けたいという意思を尊重して敢えてそのIU単位の表記は避けさせていただきました。) そしてもう一つ強調されていたのがイオンザイムによるサロントリートメントの重要性です。 ホームケアによる毎日のビタミンAの補給はもちろん、その数倍から数十倍の浸透効果のあるサロンケアを定期的に行うことで不足しがちなビタミンAを最も効率的に皮膚に補給することができます。 細胞内のパルミチン酸レチノールの貯蔵率を絶えず100%にすることで継続的なレチノイン酸への変換を促し、光老化の予防とダメージ肌の補修を実現することができます。 後半:画像データを使った症例別ケーススタディ ![]() プロティア・ジャパン本社に日本全国の医療機関、エステティックサロンから相談として集まってくる画像診断データを使っての症例別ケーススタディです。 プロジェクターからスクリーンに投影された症例写真を見ながら戸澤先生がスタッフ一人一人に、この患者さんの場合、あなただったらどのようなカウンセリングをしてエンビロンでのサロントリートメントとホームケアの指導をどのように進めるかを質問されます。 スタッフそれぞれの意見が出揃ったところで、戸澤先生から注意点や肌診断のポイント、修正点などの具体的なご指導をいただきました。 実践さながらの緊張感あふれる研修で全員が驚くほどレベルアップすることができました。 現役時代はもちろん、現在でも時々患者さんを診られている戸澤先生のドクターとしての肌診断の洞察力、エンビロンスキンケアの活かし方など他では絶対に聴くことのできない奥深い内容にスタッフ一同感激するのと同時に改めて戸澤先生の実力を実感できた研修でした。 この度は、エルクレストのレベルアップ研修のために準備をしてくださった学術研修部の方々、営業の伊藤康治さん、インストラクターの伊藤若恵さんに心から御礼申し上げます。 ありがとうございました。 ![]()
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