レベルアップ研修


森柾秀美先生 第18回
「リンパについて/エステティシャンとしての基本姿勢」
18回目になる森柾先生のレベルアップ研修。 今回はリンパについて、そしてエステティシャンとしての基本姿勢についてを学びました。

森柾秀美先生には、平成17年の3月11日(金)に第1回の社内レベルアップ研修をしていただいて以来、3ヶ月に一度のペースでずっとエルクレストにお運びいただきご指導いただいております。
今回のレベルアップ研修で、指折り18回を数えます。

私と森柾先生との出会いは、今から6年近く前の平成15年の秋ごろに私が初めて森柾先生が経営していらっしゃるエステスクール、“レ・クール・ド・モリマサ”(トゥールビオン)に勉強させていただきに行ったことがきっかけでした。
当時の私は、とにかく内分泌系(ホルモン)と自律神経系のことを教えてくれるスクールを探していました。

本をどっさり購入して片っ端から読んではみたものの分かったような分からないような、しかもその本のすべてがエステティックを知らない立派なお医者様が書かれた本ですからなかなかその知識が美容の現場と結びつかないのです。

ちょうどそんな時、クレアボーの巻末にトゥールビオンの小さな、小さな広告を見つけました。
通いやすい単発授業、しかもタイトルもドンピシャの「内分泌(ホルモン)について」「自律神経について」という授業があるのです。

たまたま目にしたのが無料講座でした。(私は、個人的にはこの無料という広告に一抹の不安を覚えましたが。)

半信半疑で初めて先生の講義を受講させていただき、一目ぼれしてしまいました。
そこには、正に私が求めていた、聞きたい内容がそのままどっさりあったからです。

それからというもの地下鉄を乗り継いでの日本橋通いが始まりました。
人生でこれほど真面目に勉強した時期はないんではなかろうかというくらい勉強させていただきました。
トゥールビオンで受けられる講座は、実技以外ほぼ制覇したはずです。
以来、矢澤統括チーフと出店候補のスタッフには、会社負担でトゥールビオンに通わせていましたが、こんなすばらしい講義は何とかして全スタッフに聴かせたいと思い、ムリを承知で恐る恐る森柾先生に研修に来ていただけないかとお願いしたところ、先生から二つ返事で了承いただき、現在のレベルアップ研修が誕生したというわけです。

森柾先生に研修をしていただくようになってから、スタッフの知識レベルが上がり、自信を持ってお客様に接することができるようになりました。

正に「知識は力」の言葉を実感させていただきました。

今では、私以上にスタッフ全員が、3ヶ月に一度の森柾先生の講義を心待ちにしています。

株式会社エルクレスト
代表取締役 中込歳哲


■テーマ
[第1部]
リンパについて
[第2部]
エステティシャンとしての基本姿勢
■講師
森柾秀美先生
■開催日
2009.6.12(金)
10:00〜17:00
■会場
本店研修ルーム

第1部 リンパについて

1.リンパとは
2.リンパの役割
3.リンパ系
4.リンパ管の構造
5.リンパ節の構造
6.頭部、顔、デコルテ部位のリンパの流れ
7.リンパ液の素になる水分子のクラスターについて
8.代謝に関わるアミノ酸とペプチド結合


第2部 エステティシャンとしての基本姿勢

1.エステティシャンとしての基本姿勢
2.プロフェッショナルへのステップ(技術編)
3.アブラハム・マズローの欲求の五段階説

※森柾先生による社内レベルアップ研修の内容は、先生の経営されているエステティックスクール “レ・クール・ド・モリマサ”の授業と全く同じ内容でご指導いただいております関係上、研修内容や配布資料をそのままご紹介することは、森柾先生のスクールにご迷惑をお掛けすることになりますので、研修項目と概要のご紹介にとどめさせていただいております。

第1部 リンパについて

・人間の体内にある水分のほとんどは、細胞内液・組織間液・血液中の水分・リンパ液として存在し、これらを合わせて体液と呼んでいる

・リンパ液は、すべての組織や細胞間にある液体で、全身のいたるところにあるが、それがリンパ管の中に集まって大きな流れとなり、全身を循環する。
リンパ液は、動脈側の毛細血管から血液の液体部分が濾しだされたもので、リンパ漿とリンパ球からなる。
部位によっては、脂質が大量に含まれているため白濁し、「白い血液」と呼ばれる。

・アミノ酸とブドウ糖は小腸の絨毛の毛細血管から腸間膜に分布する静脈に入り、門脈によって肝臓に運ばれるが、脂肪は血管ではなくリンパに入り、肝臓を経ることなく胸管というリンパ管の本幹を通って直接静脈に入る。
したがって、血液が流れるところならばすべてに脂肪沈着する可能性を含んでいる。


・リンパ液の役割
(1)体液(水分)の代謝・循環
(2)栄養素・老廃物の運搬
(3)抗体産生作用
(4)リンパ液は、リンパ液中からバクテリアを取り去るフィルターの役割をする

・個人差はあるが、約800のリンパ節が存在する。

・リンパ液の循環路をリンパ系といい、大まかな流れは【毛細リンパ管→リンパ管→リンパ節→リンパ管→リンパ本幹→】という経路を通り最終的には静脈に合流する。

・リンパの流れを考える時、リンパ管そのものも血管同様、平滑筋でできているため自律神経の影響を受ける。
交感神経の緊張状態では収縮し、リンパの流れが悪くなる。
逆に、リラックスすることで副交感神経が優位になると流れがよくなる。
サロントリートメント中もリンパドレナージュにポイントを置く場合は、お客様にリラックスいていただくことが重要なポイントになる。
また、筋肉は温めると柔らかくなるように、平滑筋であるリンパ管も温めることにより弛緩し、弾力性にとみ流れが良くなる。
急激なストレスは、一時的に0.5℃くらい体温を下げるので組織が硬くなり、リンパの流れも悪くなる。

・足先から上行してきたリンパ管は、鼠径部リンパ節に集合するが、下腹部であるヘソ下は、上から下の流れで鼠径部リンパ節に合流するので体幹部のリンパマッサージをする時には注意が必要。
足先から鎖骨下静脈まで一直線に下から上へのリンパの流れには、なっていない。

・ほぼ身体の中心に位置する胸管は、乳び槽が上行して合流したものであるが、胃の裏側に位置するため表層のマッサージでは、作用が及ばない。
この部分の太いリンパ管に働きかけて流れを促そうとするには、腹式呼吸が効果的である。腹式呼吸による横隔膜の上下運動が胸管、乳び槽に作用する。

・座りっぱなしの姿勢は、鼠径部リンパ節を圧迫し、足のむくみが1時間で1cmに達することもある。

・リンパ節が炎症を起こして腫れている場合は、けっしてマッサージしてはいけない。
リンパ節を構成している上皮細胞にダメージを与えてしまう。
また、炎症がなくても、元々表層にあるリンパ節も多く強い刺激は向かない。

・鎖骨下静脈に対するリンパマッサージは鎖骨の上はダイレクトすぎるので避ける。
鎖骨の下側は、鎖骨下筋で一枚覆われているため刺激がソフトになり、アプローチしやすい。

・腕や肩が凝ったり、だるい場合は、直接、腕や肩をマッサージするより大もとの鎖骨下リンパ節や腋窩リンパ節をポンパージュ(ほぐす)するほうが格段に効果が高い。

・LPG(エンダモロジー)の有効的なかけ方
マニピュレーションやエンダモロジー(LPG)においてそのテクニックのスピードを変える必要性。
一般的に血行を促進したい時は早めに、リンパの流れを促進したい時はリンパの流れにあわせてゆっくりと(部位によって異なるが、平均1分間に20〜40cm)。
〔森柾先生の実演あり〕
例えば、ヒップの脂肪代謝を促進させようとした場合、皮下脂肪部位は温度が低いため、脂肪細胞内の小胞体から分泌されるリパーゼ酵素の活性が落ちてしまう。
そのような時は、少しテクニックのスピードを早めて対象部位の血行を促進することで温度を上げ、トリグリセライドから脂肪酸への代謝を促しやすくすることが有効。

また、運動不足やむくみからセルライト化しやすいヒップへのアプローチは、ポンパージュのあと、老廃物をドレナージュさせるためにゆっくりと鼠径部に流してあげることが有効。
テクニックの工程は同じでもそのスピードに変化を与えることにより作用する対象が変わってくる。





第2部 エステティシャンとしての基本姿勢

1.エステティシャンとしての基本姿勢
(1)伝えることに情熱をもつ
(2)人間的魅力をもつ
(3)美容のプロとしての専門知識・専門技術を身につける
(4)インストラクションの専門知識・専門技術を身につける
(5)失敗や自分に対する評価を恐れない

2.プロフェッショナルへのステップ(技術編)
(1)基本[知る・覚える・リズム]
(2)応用[できる・身につく・全体の中での位置を把握
(3)現場[身につく・全体の中での位置を把握・臨機応変・人に伝えられる・創造]
(4)指導レベル[人に伝えられる・創造]

3.アブラハム・マズローの欲求の五段階説
(1)生理的欲求(動物の脳)
(2)安全の欲求(動物の脳)
(3)所属と愛の欲求(動物の脳)
(4)承認の欲求(人間の脳)
(5)自己実現の欲求(人間の脳)


人に伝える能力について
先輩が新人に技術指導する場合や人に何かものを伝えようとする場合、伝え方にコツがあります。エステティシャンが新しい技術内容を覚える時には、右脳的理解と左脳的理解が結びついた時に初めてわかったということになります。

右脳の主な機能は、イメージ、感覚、創造、想像、夢、希望、〜したい、を司ります。

左脳の主な働きは、計算や論理的な事柄、〜すべき、を司ります。

よく、「百聞は一見にしかず」とか、勉強する時は「総論、先、各論、後」と言われるように先に全体像をイメージさせたり、画像や映像として右脳処理されると「見たことは覚える」と言われるように記憶されやすいのです。

反対に「聞いたことは忘れやすい」というように言葉や文字だに頼る左脳へのアプローチには限界があります。

したがって良く伝わり、良く理解してもらうためには五感に訴える右脳へのアプローチを先にしてから具体的に数字で表したり論理的な文章、言葉で左脳に働きかけた方が良いということになります。

「木を見て森を見ず」にならないようにするためにも、物事を理解してもらうには、右脳に優先的に働きかけるようにした方が効果的であるということです。



(株)エルクレスト 代表 中込歳哲
研修の最初に、森柾先生からスタッフ全員に『メダイユ』のプレゼントがありました。
今回、森柾先生がフランスに講習に行かれた時のお土産だそうで、皆大喜びでした。
タイトな日程で講習に行かれている中で、遥か異国の地にいらっしゃってもエルクレストのことを思い出していただけるなんて、想像もできないサプライズに本当に感激いたしました。
森柾先生が、知識や技術が卓越しているからすばらしいだけでなく、3,000名の全国のエステティシャンから慕われていらっしゃるのは、このような細やかな心遣いからなのだろうなと感じさせていただきました。
私を含め男性スタッフの分までありがとうございました。


代々木公園店 チーフカウンセラー 矢澤晃子
森柾先生のハードスケジュールにはいつも驚きますが、そんなプライベートな情報も毎回私たちに伝えてくださることで、刺激的な講習を受けさせていただいております。
この度は本番フランスの有名な教会の『メダイユ』をいただきまして、スタッフ全員で異国情緒をたっぷり満喫し、これからの夢までみんなにプレゼントしていただきました。
リンパシステムの講習は、スタッフにとても人気のある内容です。さらにストレッチの実演などもあり、内容盛りだくさんで、私たちがお客様にすぐにお伝えしたいことばかりです。


代々木上原店 チーフカウンセラー 大石明美
《女性なら気になるリンパ》
今回は リンパについて研修していただきました。
リンパの流れは1分間で、たった数10cmしか動かないとか、座り時間1時間で、下腹部が1cmもむくむ、とか。
リンパが滞って、むくみになると、セルライトも増え、お顔のセルライトが多くなると毛穴がひろがってしまう、とのこと(><)
リンパが滞るとこわいですよね。
本来、体に入ってきた異物と戦う、免疫の重要な担い手で、老廃物などを回収して運搬する体液ですのに、女性の敵!?になってしまっている気がいたします(^o^;
森柾先生の研修は、ひたすら理論ではなく、即、お客様の為になる内容ばかり!
最近は むくみでお悩みのかたも多くいらっしゃるので先生におそわった体操やマッサージなども 活用させていただきます!
スッキリボディのお手伝いお任せくださいねo(^-^)o


原宿店 チーフカウンセラー 関口利香
白い血液と呼ばれるリンパ液がどのようにリンパ節に集まり、どのような流れで鎖骨下静脈に合流するのかが理解出来ました。
リンパマッサージは家でも毎日出来るものなので、正しいマッサージは効果的ですが間違ったものは逆効果になりますので、それを毎日している方がいると思うと恐ろしいですね・・・
色々な本やTV等でもマッサージの方法が紹介されていますが、中には間違っている情報や販売戦略の中での流行物も有りますので、正しい知識を身に付け的確なアドバイスが出来るようにして行きます。


下北沢店 チーフカウンセラー 星野裕子
リンパ液の役割とリンパ管・リンパ節について詳しく勉強させて頂きました。
いつもお客様にお話している事なのですが、リンパ液の色まで聞くのは初めてで身体の事が 隅々まで解っていると自信を持ってお客様にお話が出来て、結果を出せるのだと実感しました。
またアドバイザーとしての基本姿勢はプロとしてちゃんと出来ているのか スタッフ全員が意識し緊張する瞬間でもありました。
自分自身の向上が信頼されるアドバイザーであり、より良いサロン作りになる事を教えて頂きました。
今日からお客様に喜んで頂けるサロン作り、究極のサービスとは何か、いつも考えて一つずつ実践していきます。


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