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レベルアップ研修
佐藤仁是先生 第2回 「子宮内膜症と更年期」 ![]()
研修内容 ![]() 最初の症状として生理痛がかなり強く出る。 進行度によっては、不妊にもつながる厄介な病気である。 2.子宮内膜症の原因 子宮の出口である子宮頚管は約2mmと細いため液体である血液は通過しやすいが内膜のような固形物は通りづらく卵管の方に逆流したり、子宮組織そのものに吸収(迷入)されるというようなことが実は多くの女性に起こっています。 本来月経で体外に排出されるべき内膜が、卵巣や卵管、あるいは腹腔内、直腸の表面などの異所に沈着し、その場所で増殖してしまうのが子宮内膜症という病気です。 昔の日本女性に子宮内膜症は少なかった理由として当時は若くして子供を生むことが多く、出産により子宮頚管が広がり内膜の通過を容易にすることが理由として考えられます。 ●子宮内膜症が最近増えてきた理由 新しい説として免疫が絡んでいるということがわかってきた。 たとえ自分の血液でも血管外にある血液は異物として認識される。 毎月子宮外に堆積されていく内膜も異物であるがそれを取り除く免疫能力が衰えていれば内膜症に発展する。 白血球から分化したマクロファージの働きが衰えていることが原因の一つと考えられている。 ・外性内膜症 剥離した内膜組織が逆行して卵管より腹腔へ散乱した状態 ・内性内膜症 子宮筋層の中に内膜が迷入し、発生した状態 3.子宮内膜症の合併症 ・チョコレート嚢腫 子宮内膜症になって卵巣内に子宮内膜症ができると月経のたびに出血してしまって卵巣内にどんどん血が溜まっていって固まってしまいます。 この塊がちょうどチョコレートのように見えるところからチョコレート嚢腫といいます。 ・子宮腺筋症 子宮筋層に吸収された内膜が筋層内で生育して肥大化し、子宮全体が大きくなる病気。 4.子宮内膜症の診断 子宮内膜症の初期の段階では、超音波やCT,MRIを使っても見分けづらいので血液検査でCA−125の値を量ります。 CA−125とは何かと言いますと、内膜細胞に多く含まれている特殊なタンパク質です。 内膜症が進行してくると高値を示します。 ただし、月経中は元々高値を示すため検査しません。 5.子宮内膜症の治療法 子宮内膜症の治療には大きく分けると手術療法と薬物療法がありますが、場合によっては両者を併用して行います。 薬物療法では、子宮内膜の増殖因子であるエストロゲンの量を調整することにより病状を悪化させないようにしたり、あるいは閉経期と同様のホルモン状態にすることで子宮内膜の増殖を抑えられ、結果として子宮内膜症も軽快させることができます。 6.更年期とは 更年期とは、女性ホルモンを分泌する卵巣の働きが衰えて女性ホルモンが欠乏した状態で体が安定するまでの時期を指します。 具体的には、閉経をはさんでその前後10年くらいの期間を指します。 7.更年期のホルモン環境と更年期症状発症のメカニズム 40才前後を境に卵巣機能は低下します。 それまで卵巣から分泌されていたエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンの量が徐々に減少してきます。 これを補うために脳下垂体からは卵巣に対し、ホルモン量を増やすように性腺刺激ホルモンが若い頃の数倍から10倍近く分泌されます。 ところが既に卵巣は引退の時期を迎え、この命令に応えることができず、ホルモン中枢や恒常性維持をつかさどる視床下部がこの状況に混乱します。 *性腺刺激ホルモンは、卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)の2つを指します。 8.更年期の兆候 更年期の兆候として月経の乱れがあります。 減少したエストロゲンを補おうと、脳下垂体からは性腺刺激ホルモンがどんどん分泌されます。そのことにより月経が月に2回くる人もいます。 しかし、月経血の量は少なくなります。 この時期を過ぎると月経の周期は乱れ、間隔が短くなったり長くなったり、ダラダラと続いたり、短期間で終わるなどのさまざまな変化が起こります。 やがて月経周期が長くなっていき、閉経を迎えます。 一般的には1年以上月経がなければ閉経と考えられます。 月経が乱れはじめたころから現われるのが更年期障害です。 9.更年期障害の症状 体内のホルモン量を調整する自律神経中枢とホルモン中枢が卵巣の機能低下から混乱し、自律神経失調を起こします。 その一つがホットフラッシュと言われるのぼせと発汗です。 上半身が暑くなり、発汗します。 手足の冷えや耳鳴りなども多い症状です。 また、頭痛・肩こり・腰痛・疲労倦怠感・トイレが近い・膣や尿道がヒリヒリするなども多い症状です。 そしてイライラしたり何でもクヨクヨ考え込んでしまう、気分が落ち込んで欝になるといった精神状態も更年期に現われやすい症状です。 ![]()
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